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  特訓中の、ダークエンジェルズ。ほとんど、軍隊の訓練である。それも、グリーンベレー並のハードさである。

  それを眺めている「男」とサム。

サム(英語で。以下同様。字幕説明)「あの、薫ってのは筋がいい。うちのナンバーワンにも匹敵する喧嘩の才能だ」

「男」(興味なさそうに。英語で)「そうか。それより、頼んだ品物は、いつ来る?」

サム(笑って)「あせるな。今、軍のお偉方に手を回しているところだ。中古のおんぼろヘリコプターといっても、そう簡単に軍からちょろまかすわけにはいかん。もっとも、あんんな化け物、使いようがないから、値段は格安だがな」

「男」「お前が手数料をあんなに取らなきゃあ、もっと安いだろうさ」

サム(大笑いして)「まあ、そう言うな。これも俺の楽しい老後のためだ。傭兵には恩給はないからな」

  格闘技の練習をしている薫。鮮やかな動きで、相手を倒す。

サム(驚いて、軽く口笛を吹き)「見ろよ、とうとう薫がうちのナンバーワンを倒したぜ」

  薫、紅潮した顔で、「男」たちのところに近づいてくる。

薫「お願いします、ボス、一度俺と相手してください」

  無表情に薫を見る「男」

「男」「いいだろう。だが、死んでもしらんぞ」

薫「簡単には殺されません」

  向かい合う二人。薫は身構える。だが、「男」は何の構えもなく、すたすたと薫に歩み寄る。

薫(かっとなって)「なめるな!」

  薫の出したストレートパンチをかいくぐり、男の貫き手が軽く薫の右脇の下を突く。

  うめき声をあげて倒れ、気絶する薫。(フェイド・アウト)

  (フェイド・イン)薫を心配そうにのぞき込んでいる仲間達の顔。

  薫(身を起こしながら、うっと脇の下を押さえ)「いったいどうなったんだ? 俺は何をされたんだ?」

  サム(気の毒そうに)「薫、お前はいいファイターだが、あの男には百回やっても勝てんよ。俺は、どんなプロレスラーでもボクサーでも恐れんが、百地とは素手で戦おうとは思わん。こっちにライフルでもなきゃあな」(フェイド・アウト)

 

  青空。轟音と共に降下してくる一台の巨大なヘリコプター。ジープが5台積め、人間が50人乗れる怪物である。(自衛隊のCH-47Jあたりでもよい)

  着陸したヘリコプターから降りてくるサム。

「男」(サムと握手して)「やっと来たな。荷物の方も大丈夫か?」

サム「ああ、ちっぽけな国となら戦争ができるくらいあるぜ」

  ヘリコプターの荷物出し入れ口から次々に下ろされる木箱。

  木箱のふたがバールで開けられると、中にはぎっしりと武器が詰まっている。機関銃、ピストル、ハンドグレネード、バズーカ砲まである。

サム「どうだい、これだけありゃあ十分だろう? それに、こいつは俺が特別にあつらえたものだが、あんたにやろう」

  木箱の一つから、油紙に包んだ物を取り出して開けると、中から出たのは、巨大なピストルである。

サム「こいつは、ピストルだが、威力は小型の大砲並だ。象だって一発で倒せるぜ」

  サムは、そのピストルを両手で構え、20メートルほど先の立木を狙う。

  サムが引き金を引くと、轟音とともに、立木がまっぷたつになって倒れる。

「男」「気に入った。寄こせ」

  無造作に片手で構える「男」。

サム(心配げに)「おい、こいつの反動はすごいんだぜ。片手では、手首が折れちまう」

「男」「心配いらん」

  引き金を引く「男」

  半分になった木のど真ん中に弾が命中し、さらに半分に裂く。

  感嘆するサムとダークエンジェルズ。(フェイド・アウト)

 

  マイアミ。高級ヨットハーバー。抜けるような青空の下、無数の豪華ヨット、クルーザーが停泊している。

  (遠景)桟橋で、透が「男」と一緒に、ユダヤ系アメリカ人と商談をしている。

  (遠景)商談がまとまったらしく、握手する透とアメリカ人。

  二人の側に停泊しているクルーザー。小型戦艦並の耐久性とスピード、搭載能力を持つ、豪華クルーザーである。真っ白な外観は美しい。

  クルーザーに乗り込む「男」。(フェイド・アウト)

 

  再び、ダークエンジェルズの訓練風景。簡潔に。特に、銃砲の訓練を中心に。季節が夏から秋に移り変わることも、暗示する。(フェイド・アウト)

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