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  アメリカ。ミネソタの地方空港。

  小さな飛行機が着陸し、ダークエンジェルズのタカヨシ、ミツルの二人がタラップを下りてくる。

  周りを見回す二人。

  殺風景な周囲の景色。

タカヨシ「ひでえ田舎だな」

ミツル「おい、迎え、来てるよな……。こんな所に置いてかれたらたまんねえよ」

  空港の外に出る二人。

  猛スピードで近づく一台のジープ。

  運転席から二人に笑い賭ける仲間の健太郎。日焼けした、たくましい様子である。

健太郎「おせえぞ。お前達が一番最後だ。ぎりぎりに来やがって。どうだ、南米は楽しかったか?」

タカヨシ「ああ、面白かったぜ。これで楽しい毎日も終わりかと思うと寂しいよ」

健太郎「薫さんは、ずっと退屈だったと言ってる。貰った五千万円の金も、ほとんど使ってないみたいだ」

タカヨシ「馬鹿じゃねえの。いや、薫さんに、馬鹿は失礼だが、金持ち向きの性格じゃないんだな。俺なんか、五千万円ぎりぎり使ったぜ」

ミツル「そのほとんどは、競馬ですったんだがな」

健太郎「競馬場から奪った金を競馬ですってりゃあ世話はねえ。さあ、乗りな。みんな待ってるぜ」

  走るジープ。

  運転席の健太郎に話しかける二人。

ミツル「なあ、こんな所にホテルなんてあんの?」

健太郎「ホテル? 馬鹿、観光じゃねえぞ。キャンプ、地獄のキャンプだ」

タカヨシ「ひえーっ! また特訓かよ」

健太郎「今度は、前より凄いらしいぜ。これに比べりゃあ、前のはお遊びだ、って言うくらいのもんらしい」

  ジープの前方に、米軍基地のような金網張りの敷地が見えてくる。金網の向こうには、カマボコ兵舎。

  フェンスの前で、太い葉巻を吸っていた、軍服を着た巨漢のアメリカ人が、近づくジープを見て、葉巻を地面に投げ捨てる。

  男の前で停まるジープ。

サム(凄みのある微笑を浮かべて、英語で)「地獄のキャンプにようこそ」(フェイド・アウト)

 

  奥多摩。キャンプに来ていたアベックの一人が、木の間に倒れている人間の裸の足らしいものを見つけて近づく。

  茂みをかき分けて、下を覗く男。その顔が驚愕でひきつり、男は悲鳴を上げる。

  うつぶせになって、顔だけ横を向いているマキの全裸死体。(フェイド・アウト)

 

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