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15 白昼夢を信じる奴(「ディ・ドリーム・ビリーバー」)

 

 Day dream believer

 

Oh,I could hide beneath the wings

  of the bluebirds as she sings

The six o‘clock alarm would never ring

But it rings and I rise

 wipe the sleep out of my eyes

My shaving razor‘s cold and it stings

(ああ、青い鳥が歌を歌う時に、その羽根の下に隠れられたらなあ!

六時のアラームはこれまで鳴ったことがなかったのに

そいつが鳴って、僕は起きる

眠りを目からこすり出して

僕の髭剃り用カミソリは冷たくてちくちくする)

 

  CHORUS

 

Cheer up,sleepy Jean

 oh what can it mean

To a daydream believer

 and a homecoming queen?

(元気を出せよ、眠そうな顔のジーンちゃん

 現実という奴にはいったい何の意味があるだろう

 白昼夢を信じる奴や

素に帰った女王様にとって)

 

You once thought of me

 as a white knight on a steed

Now you know how happy I can be

Oh,and our good time starts and ends

With a dollar one to spend

But how much baby do we really need?

(きみはかつて僕を白馬の王子様と思っていた

今、僕がどんなに幸福になれるか君もわかっただろう

僕たちの幸せの時は、始まり、そして終わる

たった1ドルを使うだけでね

でも実際、僕らにどれだけのお金が必要なんだろうか?)

 

  CHORUS(しつこく繰り返して終わる)

 

 

ビートルズのパチモン、モンキーズのほとんど唯一のヒットだが、強烈な魅力のある歌である。そもそも、題名が抜群にいい。白昼夢が若さの代名詞であることを、この歌は教えているのだ。現実社会の正しいパースペクティブを持たない若者に与えられた特権が白昼夢を見る能力なのであり、だからこそ若者だけが常に新しい創造をするのである。

 歌詞の中では「homecoming queen」の訳に悩んだが、これを同窓会での花形とか高校のブロムナイトの女王とする解釈は取らないことにした。というのは、次の連に、「白馬の王子様」が出てくるのだから、それとの対比を考えれば、これは本物の女王、ただし、家に帰り、普通の人間に戻った女王様だと解釈するほうがいい。

 また、「sleepy Jean」とは何者か、「Oh、what can it mean」の「it」は何かも、さっぱり分からないのだが、こういうのは謎めかした魅力を出すためにわざとしていることもあるので、無駄に頭を悩ます必要はないだろう。とりあえず、「it」は「現実」だと強引に訳したが、他の解釈があるならそれでもいい。

 面白いのは、女王や騎士(白馬の王子)を過去の夢としながら、では現実に生きるのかというと、そうではなく、今度は白昼夢に生きるのだという、この一種の開き直りである。

 確かに、このくだらない現実で夢を実現するには金もかかるし、膨大な努力も要る。だが、白昼夢を見つつ生きるならば、それには一銭の金も要らないのである。(この歌では1ドルくらいは要るとしている。まあ、たとえば映画を見るとか、漫画雑誌を買うとかくらいの金額だろう)ただし、時には「あちら側の世界」に行ってしまうこともあるが。

 




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