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13 「何で馬鹿は恋をする?」

 

Why do fools fall in love

 

Why do birds sing so gay

 And lovers await the break of the day

Why do they fall in love 

(何で小鳥たちはあんなに楽しげに歌い、恋人たちは夜明けを待つんだ? どうして連中は恋に落ちるんだ?)

Why does the rain fall from up above

 Why do fools fall in love

Why do fools fall in love

(何で雨は上から落ちるんだ? 何で馬鹿は恋に落ちるんだ? 何で、何で?)

 

Love is a losing game

 Love can be a shame

I know of a fool

 For that fool is me

Tell me why tell me why

(愛は負けるはずのゲーム、愛は恥じかきのゲーム、

僕は馬鹿のことは良く知っている。なぜなら、その馬鹿は僕だから。

何で、何で、こうなっちゃったんだ、教えてくれよ!)

 

  第一ヴァース繰り返し

 

Why does my heart skip a crazy beat

For I know it will reach defeat

Tell me why,tell me why

(何で、僕の心臓は狂ったビートを叩いている?

わかっているさ、それはこの恋が敗北へとまっしぐらだからさ。

何で、何で、こうなったんだ。誰か教えてくれよ!)

 

 

「フランキー・ライモンとティーンエイジャーズ」でヒットしたナンバー。このフランキー・ライモンは、ローティーンの天才的シンガーで、ジャクソン・ファイブにおけるマイケル・ジャクソンのような存在である。というより、ジャクソン・ファイブが、彼らの真似をしたと言うべきか。そして、そのジャクソン・ファイブの日本版がフィンガー・ファイブである。商才がある人間なら、もう一度フィンガー・ファイブ的なグループを作って、この歌を歌わせれば、ヒットは間違いなしだ。

 訳は一部意訳してはあるが、大意はこんなものだろう。最初は、世間の恋人たちをクールに批評してみせながら、実は、自分自身がその馬鹿な恋人であるということを白状するという、喜劇のセオリーをうまく使った詞である。

 小鳥が歌うのにも、雨が降るのにも文句をつけているところが面白い。実は、それは、自分の恋が敗北まっしぐらだから、その八つ当たりをしているというところがコミカルだ。「電信柱が高いのも、郵便ポストが赤いのも、みんな私が悪いのよ」の逆である。(今時、「電信柱」も「郵便ポスト」も死語か。)

 なお、「鳥たち」を「小鳥たち」としたのは、当然、伝統的な恋歌の原則に従ったまでである。まさか、この「鳥たち」を鷲やコンドルと思う人はいるまい。

 これと正反対の超シリアスな恋の詞が10番の「この世の終わり」(一般には「この世の果てまで」などと訳されているが、これは完全な誤訳と言っていいと思う。)、これと似た喜劇的なひねりを生かした歌が、18番の「二度と恋には落ちないわ」(一般には「恋にさよなら」だが、これも、「ネバー、アゲイン」という部分が歌詞のキモなので、タイトルにも「二度と」を入れるべきだろう。)である。この二つと比べてみるのも一興だろう。

 

 

 





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