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4 「時が経っても」(「アズ・タイム・ゴーズ・バイ」) ハーマン・ハプフェルド作詞作曲

 

 As time goes by

 

You must remember this

A kiss is just a kiss

A sigh is just a sigh

The fundamenntal things apply

As time goes by

(覚えておきなさい

キスはただのキス

溜息はただの溜息

基本的な事柄は変わらない

時が過ぎていっても)

 

And when two lovers woo

They still say “I love you”

Oh,that‘s you can rely

No matter what the future brings

As time goes by

(恋人たちが求婚する時、

彼らはやはり「アイ・ラブ・ユー」と言う

そのことは大丈夫、いつでも通じるさ

未来が何をもたらそうとも

時が過ぎていっても)

 

Moonlight and lovesongs

Never out of date

Hearts, full of passion

Jealousy and hate

Woman needs man

And man must have his mate

That no one can deny

(月の光や恋唄は

けっして流行遅れにはならないよ

情熱に満ちた心、

嫉妬に憎しみ、

女が男を必要とすること、

男には連れ合いが必要なこと、

それらは誰にも否定はできない)

 

It‘s still the same old story

A fight for love and glory

A case of do or die

The world will always welcome lovers

As time goes by

(それは昔ながらのお話

恋や栄光のための戦い

やるか死ぬかの二者択一

世界はいつでも恋人たちを歓迎しているんだよ

時が過ぎていってもね)

 

Oh,yes,the world will always welcome lovers

As time goes by

(そうさ、世界はいつでも恋人たちを歓迎する

時が過ぎても)

 

 

 案外と内容が誤解されているのではないかと思われるスタンダード曲である。その理由は、「As time goes by」の「as」の解釈を、「~のままに」として、「時の過ぎ行くままに」などというタイトルが流布しているからだろう。「時の過ぎ行くままに」では、まるで、変化を肯定する内容に見えてしまう。これは逆に、「時が過ぎても、人生のファンダメンタルは変わらない」という不変性を歌った詩なのである。おそらく、日本的無常観の伝統が、こうしたポップスの解釈まで誤らせたのだろう。もっとも、逆接の「as」なんてのは、辞書を細かく見ないと気づかないものではあるが。

 歌詞そのものは、他のポップス同様、押韻の面白さを狙った言葉遊びが多く、あまり逐語訳しても意味はないが、それなりに面白い内容でもある。それに、やはり映画「カサブランカ」での効果的な使い方のために、一部の人間には忘れられない名曲となっているようである。ただし、本当は「カサブランカ」のテーマ自体とはあまり関係のない、ただの甘いラブソングなのだが。

 

 









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