29 「深い紫」(「ディープ・パープル」) ニノ・テンポとエイプリル・スティーブンス
Deep purple
When the deep purple falls
Over sleepy garden wall
And the stars begin to twinkle
In the sky
(深い紫色が、眠たげな庭園の壁に落ちかかり、
星たちは空に瞬き始める)
In the mist of a memory
You wonder back to me
Breathing my name with a sigh
(思い出の霞に包まれて、君はさ迷いながら私の元に帰って来る
溜息と共に私の名前を囁きながら)
In the still of the night
Once again I hold you tight
Though you‘re gone, your love
Lives on,when moonlight beams
(夜の静けさの中で、再び私は君を強く抱き締める
君は去ったが、君の愛は甦る、月の光が射す時に)
And as long as my heart will beat
Sweet lover we‘ll always meet
Here in my deep purple dream
Here in my deep purple dream
(そして、私の心臓が脈打つ限り、
優しい恋人同士として、私たちは再会する
ここで、紫の夢の中で
この私の、深い紫の夢の中で)
ディープ・パープルと言うと、ロックバンドの名前かと思うだろうが、私はロックは嫌いである。これは、ニノ・テンポとエイプリル・スティーブンスという大昔の男女コンビのデュエットの歌だ。
歌の内容は、少し「スターダスト」に似ている。曲も、柔らかにスイングし、古雅な雰囲気のある、まさにオールドファッション・ラブソングと言った感じの歌である。実際の演奏では、歌の途中に、女性であるエイプリル・スティーブンスの語りが入り、それがまた実にいい雰囲気なのだが、その語り部分が入手できないので、残念ながら書けない。(とは言っても、確か、私の記憶では、前半の歌詞を、歌わずに語るだけだったような気がするから、あえてここに書く必要もないとは思うが。)
使われた単語も文構造も、中学生レベルなので、訳は簡単だが、最後の部分は少し意訳した。同じフレーズの繰り返しは、日本語の詩としては単調すぎると思ったからである。まあ、改悪と言われたら、その批判は甘受するしかないが。その前の部分「君の愛は甦る」も、「君の愛は生き続けている」の意訳である。なぜ意訳したかは、読み手の推測に任せる。