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私は椎名高志の漫画はだいたい好きなのだが、彼の最長編の「絶対可憐チルドレン」はあまり面白いと思わない。まあ、低年齢層向けに書いている部分もあるからとは言え、何か基本的なコンセプトを間違ったままで連載をスタートさせてしまったのではないか、という気がする。
今さらではあるが、どこが間違っていたのか、少し考察してみる。

アニメの最初の数回を見るかぎり、「話が全体にちゃちいなあ」という印象を受けたのだが、それはどのあたりか、明確ではない。まあ、要するに、超能力者に起因する危機を、超能力で解決する、というのが毎回の主筋なのだが、これで長編にすると、マンネリの極致になるのではないか、ということかと思う。実際、最初の3回ほどで私は飽きたのである。しかも、最初から「超能力を制限するマシン(超能力リミッター)」の存在が明らかで、その強大化されたものを使えば超能力者は無能になり、敵との闘いに不利になるわけで、せいぜいがそのマシンを戦いの綾に使う程度しかバリエーションは考えられない。
とすれば、この手の話を作る場合は、超能力の存在を徐々に出していき、超能力という存在が持つ危険性や周囲との軋轢を細心にドラマ化していくしか長編化する方法は無いのではないか。最初から「超能力が珍しくない世界」として描いたら、読者や視聴者は「あっそう」で終わりになるように思う。そして、超能力バトルを1,2回見たら、もう飽きるだろう。実際、私はそうだった。
いくら、椎名高志的なギャグをちりばめても、本筋が真面目な性質の作品であっては、これは持たないだろう。荒唐無稽なものをドラマ化するには、視聴者の心に強く訴えるフック(ある種のリアリティ)が必要なのである。

荒唐無稽なもののドラマ化にこそ細部のリアリティが必要。
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