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3世紀くらいから7世紀くらいまでの日本は朝鮮半島より文化的政治的後進国であったことは確かだろう。となれば、朝鮮半島からの渡来人が日本の政治世界で高い地位に上るのは理の当然だったわけだ。つまり、東大やハーバード(まあ、この二つを同列にしていいか疑問だがwww)を出た人間が重用されるのと同じである。しかもその時代は学歴時代ではなく、実力時代だからこそ、文化的政治的先進国で厳しい現実と戦ってきた人間が田舎の馬鹿たちを圧倒するのは当たり前の話である。しかも、先進国の武器作りの知識もあり、文化的知識もあるとなれば、高い地位に上らないほうがおかしい。とすれば、そこから王位に就く人間も当然出てくるわけだ。まあ、「鳥無き里の蝙蝠」という話である。
そして、渡来人というのは、故国で失敗した人間であるというのは、今の時代で田舎に行く都会人のほとんどが都会での失敗者であるのと同じだ。もっとも、失敗とは言っても、政治的敗北や戦乱の結果だろう。言ってみれば、「亡命者」である。
そういう人々にとっては、日本のような「ど田舎」に行くこともそこで生涯を送ることも残念無念なことだったと思うが、その反面、そこでは(文化的差異のために)最初からチートとして生き直すことができたわけで、素晴らしい運命だと見做すこともできたのだ。

小林恵子氏の「ふたつの顔の大王」は、古代の日本の大王の多くは実は朝鮮半島その他の渡来人であり、しかも故国でも日本でも王位に就いたのだ、としていて、あまりにも奇想が過ぎると思わないでもないが、日本書紀などの記述が天武以降の「皇室による荘厳化と自己正当化」の記述が相当入っているだろうという当たり前の推定を前提とすれば、実はどのような推測も可能になり、その推測の是非を決めるのは推測内容の合理性と幾つかの資料との間の整合性しかないのである。
ある研究(コンピューターシミュレーション)によれば、弥生時代から7世紀までの1000年間に渡来した帰化人の数は数十万人から百万人に達すると言う。しかも、恐らくそのかなりな割合が古代日本の「上級国民」になっただろうというのは、最初に書いた通りだ。とすれば、古代日本こそ実は「(東)アジア内グローバリズム」の時代だったのであり、くだらない日本国粋主義はせいぜいが幕末の尊皇攘夷思想あたりから始まったファナチシズムにすぎないのではないか。そもそも、現日本人のかなりな割合が帰化人の子孫であるのは明白なのである。しかもそれは上級国民ほどそうだと推定されるのだ。
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