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たぶん、ほとんどの人に興味の無い話だろうと思うし、例によって書きながら考えるので、(これは、小林秀雄もそうだったらしい。書いていないときは何も考えていないに等しいという感じだったとか。)とりあえず、メモ中心のこちらのブログに書いておく。

1:恩田陸と小川未明の類縁性
2:三島由紀夫とリラダンの「残酷物語」(なぜリラダンはこの作品集に「残酷物語」と名付けたか)(「ヴィルジニーとポール」の何が「残酷」なのか)
3:残酷さと詩情(「雨の中の噴水」)
4:残酷さとは「リアルな人生の姿」であること→それがなぜ「詩情」を生むかという、不思議なメカニズム→「グロテスク」な描写には「詩情」は無い
5:小川未明の童話の「残酷さと詩情」、宮沢賢治の童話の「残酷さと詩情」
6:詩情とは「もののあはれ」であり、「あはれ」とは「哀れ」でもある
7:悲しみと詩情の近縁性(「喜び」における「詩情の欠如」と対照的)
8:「喪失(別れ)」の悲しみと詩情
9:「山の人生」の親による子殺しの残酷さと夕日の対照による異常な効果→この「子殺し」は、はたして「グロテスク」か? 子供自身がその死を望んだことの「哀切さ」

といったところか。



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私はエロ小説やエロ描写が嫌いで、性的描写で面白いと思うのは、マルキ・ド・サドのように「人間生活の症例報告」みたいな筆致で冷静に書いた小説くらいである。
で、私自身が興味が無いせいか、女性作家の「エロ描写」というのは、ほとんど見たことがない。まあ、それだけ女性は世間体を気にするからだろうとは想像できる。男の性描写だってロクなものは無いのではないか。セックスそのものは挿入して射精して終わりなのだから、問題は「どういう女性を相手にするか」だけになる。で、相手の女性を性的に刺激してエクスタシーに達せさせるのがエロ小説の常だと思うが、ご苦労な話である。単なる御奉仕ではないか。
ただ、そこには、自分が愛し賛美している女性が他の男によって快感を得ることへの敗北感が背後にあると思う。(セックスにおける「勝利と敗北」という概念が男にはあるわけだ。)「千一夜物語」の王様のように、国内の処女に次々と相手をさせて、処女を奪った相手は翌朝殺す、というのが、男の征服欲(性的敗北忌避)の「合理的」処置法ではあるかと思う。

(以下引用)

男性小説家が女性について描写する際、ぞっとするくらい気持ち悪い筆致の作家がいる

2024年08月02日 02:05

何を書いても構いませんので@生活板140
929 :名無し : 24/07/27(土) 22:20:27 ID:FS.24.L1
男性小説家が女性について描写する際、
ぞっとするくらい気持ち悪い筆致の作家さんと、
特に嫌悪感を抱かない筆致の作家さんの二種類がいらっしゃるように思う



気持ち悪いほうの作家さんの共通点を考えると、
なんかじめじめしてて卑屈っぽいわりに欲望だけは粘液みたいに
ぬめぬめ染み出してる感じが似てる

せっかく話自体は面白いのに、彼女や妻や好きな人や美女を描写する部分に入ったら途端に、
欲まみれの目線でうなじやら汗やら匂いやらをねちっこく書き連ね始めるので
(うわ~来たわこういうの)ってなっちゃう(笑)

もちろん官能小説ではなくて大衆小説の中での話

男性読者目線ではそういう描写は逆にサービスシーンみたいに思えるんだろうか

931 :名無し : 24/07/27(土) 23:12:26 ID:qR.zb.L1
>>929
そういう、ある人には嫌悪感しかないぬめぬめした欲望の煮凝りみたいな小説が、
ある人にとってはたまらなくハマったり救われたりするから
創作物は面白いんだよ

どっちがいい悪いでも、どっちが益害でもない、両方が存在することが
必要で意義があるんだよね

コメント

  1. 名無しさん : 2024/08/02 02:26:45 ID: 7VmxSZjs

    わかる
    気持ち悪くなるタイプの作家結構いる

  2. 名無しさん : 2024/08/02 02:31:23 ID: XOPhpMMc

    文字だけでそれだけ感情を揺さぶることができるなんて創作物として大成功じゃないの

  3. 名無しさん : 2024/08/02 02:38:27 ID: XlMDHJOM

    単に自分の好き嫌いに叩いても良い免罪符を得ようとしてる様がとてつもなく気持ち悪いですね

  4. 名無しさん : 2024/08/02 02:57:02 ID: cDOroQeU

    純文学も色恋ドロドロで困惑した子どもの頃の思い出
    キモい作者といえばまず谷崎潤一郎
    もろ特殊セイ癖でまあ平然と世に出せたなと
    川端康成も偏屈ジジイがセイ描写マシマシでキモい
    反して夏目漱石は色恋はほぼないけど女性に対して淡白超えて同じ人間として見てない感じがして苦手
    坊っちゃんとかプライド高いひねた性格にしか見えないし、他の作品含めて主人公の嫉妬とかとても成熟してない人間性がどうも共感出来ない
    メンタルマッチョな作者なイメージ

  5. 名無しさん : 2024/08/02 03:01:45 ID: mZIfeZOE

    貴志祐介の悪口はそこまでだ。

  6. 名無しさん : 2024/08/02 03:08:53 ID: fEzhPWM2

    >>3
    ありとあらゆる女性に関する表現は好きに叩いていい時代だからな
    タバコと同じ扱い

  7. 名無しさん : 2024/08/02 03:51:43 ID: fa12l78E

    純文学じゃなくてラノベだけど、
    自分は魔法科高校の原作の妹の表現が苦手。
    褒め方がいちいち他の女と比べてどうだ、
    この村一番のべっぴんだばかりで
    主観的な美しさが何も無い。
    多少ネチネチヌメヌメ入ってもいいから、
    女を褒める時は絶対的に褒めろって思う。

  8. 名無しさん : 2024/08/02 04:13:47 ID: K.lJeosM

    ただ感想を述べてるだけやん。
    感想を述べるのは自由だぞ。
    いちいち過剰反応するなよ

  9. 名無しさん : 2024/08/02 04:53:00 ID: xahaT0H6

    スレは気持ち悪いタイプの見本だね
    生理的にキモい

  10. 名無しさん : 2024/08/02 04:56:28 ID: aILN7mhM

    抽象的な議題で話が進んでて具体的じゃないから、モヤモヤするなあ。

  11. 名無しさん : 2024/08/02 05:24:44 ID: BOShY2fI

    私にとって井上靖がそうだわ
    女が一人も出てこない「天平の甍」でさえ主人公のセーヨクから話が始まるのでげんなり

  12. 名無しさん : 2024/08/02 05:56:17 ID: XsfSx2XA

    ○辺淳一とか渡○淳一とか渡辺○一とか渡辺淳○とか?

    谷崎潤一郎はキモいの多いけど蘆刈とか吉野葛はそうでもない
    魔術師とか人魚の嘆きとかも

  13. 名無しさん : 2024/08/02 06:08:45 ID: 4Gxyk2Vg

    例えば花村萬月みたいに全編ねちっこいのは気にならないけど、それまでサラッと読んできたのに急に部分的なねちっこさを感じると嫌悪感が湧くのかな?
    私は赤川次郎の『プロメテウスの乙女』が彼の一番いい作品だと思ってるけど、三毛猫ホームズが好きだった伯母には「それだけは好きになれない作品だ」と言われた
    趣味全開だとヒいちゃうとかあるあるかもしれない
    賭博や乗物でも出やすい

  14. 名無しさん : 2024/08/02 06:14:30 ID: Jsdrbtz6

    気にしたことなかったけど○辺淳一みたいなやつのことか
    ※欄もいつも何でもない話に対して嫉妬してるとか金持ちアピールだのどこをどうしたらそこまでひねくれられるの?っていう報告者叩きがあるもんな

  15. 名無しさん : 2024/08/02 06:18:41 ID: ywEnsO8Y

    むしろ記事>>1の感性の方が‡モくないでしょうか?

  16. 名無しさん : 2024/08/02 06:46:20 ID: pnfv3cLk

    自分でドスケベなモノを好んで見といてそれはあんまりだろ
    肥溜めにわざわざ近付いて「臭い!汚い!」と言うようなもんだ

これは不思議なことに、女を人間扱いしないサド男が女にモテるようだ。だから世間にはあれほどDVが多いわけである。内面がサドで、女を手に入れる時だけ優しいふりをするホスト的男もモテる。根っから女性を尊重する男はなぜか女性に軽蔑される。(自分という女だけを尊重する場合は別ww)封建時代の男尊女卑思想は、或る種の叡知によるものかもしれない。
ちなみに、私は美男子だったので、表面上はモテたが、心から女性を尊重する男なので本当にモテた経験は無い。
まあ、女性は本能的に「強い男」を求めるので、「優しい男=弱い男」と判定されるのだろうし、実際、自分で自分を優しいと思っている男のほとんどは単に弱い男だったりするwww つまり、女性は「生物」的には賢明なのかもしれない。女性は肉体的苦痛に強いので、自分が殴られても蹴られても、我慢すればいいわけだ。




【画像】モテ男「女にモテるためのマインドは『女をゴミ』という認識を持つことです」

2024/05/01 09:00 10 category - 女さん

1: 風吹けば名無し 2023/06/28(水) 21:49:32.66 ID:2FZN8WOU0

no title

10: 風吹けば名無し 2023/06/28(水) 21:56:19.15 ID:I2FWfP1e0
ええこと言うな
日本男児も捨てたものじゃないと感心したで

2: 風吹けば名無し 2023/06/28(水) 21:49:55.44 ID:2FZN8WOU0
これガチで正論だからお前らも参考にしろ
無理だろうけど

3: 風吹けば名無し 2023/06/28(水) 21:50:44.37 ID:sTmF11UTp
これ古いんだよなぁ

今は女の子を大切にする 同じくらいの身長の小柄系可愛い男子が1番モテる

5: 風吹けば名無し 2023/06/28(水) 21:53:05.55 ID:HxLxkisoa
素で動いて媚びなくて普通に接してたら寄ってくるわ

9: 風吹けば名無し 2023/06/28(水) 21:54:37.01 ID:lEcC1+L0d
真に受けるととんでもないことになるやつ

11: 風吹けば名無し 2023/06/28(水) 21:56:23.15 ID:5phigxeM0
実行してる弱者男性が逆にゴミ扱いされてるのはネットでよく見るが

12: 風吹けば名無し 2023/06/28(水) 21:57:05.64 ID:R24GkrDrM
長すぎて草

15: 風吹けば名無し 2023/06/28(水) 21:58:26.70 ID:tB8VfEh+d
じゃあなんでなんGの女叩きたちはもてないの?

16: 風吹けば名無し 2023/06/28(水) 21:58:33.32 ID:IbEhrx2v0
これはゴミ女にモテるコツやん

21: 風吹けば名無し 2023/06/28(水) 21:59:47.44 ID:cA3igza+0
ただえさえモテないのに内面までゴミにする必要あんの?

23: 風吹けば名無し 2023/06/28(水) 22:00:07.03 ID:RfmaTWfqd
チンパン女にモテるためにはそれでええけどさあ

25: 風吹けば名無し 2023/06/28(水) 22:00:22.49 ID:0HrheZwe0
これ正論なんよな
振り回す男のほうがモテる

26: 風吹けば名無し 2023/06/28(水) 22:00:24.95 ID:jFzcegCP0
ターゲットが弱男やからそいつらに支持されるようなこと言ってるだけやろ

27: 風吹けば名無し 2023/06/28(水) 22:00:24.31 ID:PEIDOfQB0
女によって使い分ける

30: 風吹けば名無し 2023/06/28(水) 22:00:38.09 ID:oUNmxIhM0
極論だけど間違っては無い 媚びて顔色伺う奴は下に見られて終わる

35: 風吹けば名無し 2023/06/28(水) 22:01:15.45 ID:UBHcDoJc0
長文で説明してくれる優しい男で草

46: 風吹けば名無し 2023/06/28(水) 22:02:37.14 ID:+aKHa6fQ0
これガチだよなぁ

51: 風吹けば名無し 2023/06/28(水) 22:03:05.42 ID:jFzcegCP0
女に裏切られるのを恐れる前にこういう甘言に騙されないようになろうな

58: 風吹けば名無し 2023/06/28(水) 22:04:44.01 ID:CxWNk8Qx0
女は殴ってなんぼなんだよなぁ

43: 風吹けば名無し 2023/06/28(水) 22:02:11.92 ID:oOdtDUY00
実際野球選手とかYouTuberとかこんな思想のヤツばっかやろ
「シロクマの屑籠」という精神科医か何かのブログの一節だが、この書き方だと「自己家畜化」という概念(本自体を読んでいないのでその概念は不明だが、言葉どおりに解釈する。)を筆者は肯定的に使っているようだ。つまり、「自己家畜化はけっして悪いことではないですよ~」と患者を猫なで声でなだめる手法のひとつとして使う意図ではないか。

(以下引用)

この本の前半では、人間が進化の過程でみずから起こしてきた自己家畜化という(生物学的な)変化・進化について解説しますし、それこそが人間を地球の覇者たらしめた生物学的な鍵ではあるでしょう。とはいえ、自己家畜化を遂げた人間といえども、誰もが・どんな文化や環境にも適応できるわけではありません。文化や環境の変化がもっともっと加速していくとしたら、より多くの・より新しい不適応が私たちを待ち受け、将来の私たちを疎外するのではないでしょうか。

(以上引用)


で、私がこの「自己家畜化」という言葉を聞いて即座に連想したのがエーリッヒ・フロムの「自由からの逃走」という言葉と著作だが、20代のころに読みかけてすぐに放棄したので内容が分からない。おそらく、ドイツ国民がなぜナチスとヒトラーを受け入れた、あるいは国民自ら国家統率の中心として彼らを選んだのか、ということを精神分析的に解明しようとしたものだろうと想像している。
まず、ウィキペディアで調べてみる。と思ったが、下のサイトのほうが分かりやすいようだ。

(「哲学ちゃん」というサイトから転載)

自由からの逃走

フロムは著書『自由からの逃走』の中で、人間が自ら自由を放棄してしまう心理的メカニズムを明らかにしました。

フロムによれば、人間はもともと自己決定の自由(=自身の運命を自分で決める能力)を持っています。

しかし一方で、人間は自由になることで孤独感や無力感を抱えてしまい、結果として逆に自由から逃避してしまう傾向も持っています。

自由からの逃避は「権威主義への逃避」「破壊主義への逃避」「機械的画一性への逃避」という3つの形となって表れます。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

権威主義への逃避(依存)

「権威主義への逃避」とは、他人を自分の権威の支配下に置いたり、他人の権威に自分の自由を託すことによって、身の安全を求める心理です。前者はサディズム、後者はマゾヒズムの心理につながります。

例えば、自分でビジネスを起こした方が自由になれるにも関わらず、事業の失敗を恐れるあまり、敢えて会社に支配されるサラリーマンとして働いてしまうことが挙げられます。

破壊主義への逃避(破壊)

「破壊主義への逃避」とは、他者や自分自身を攻撃することによって不安から逃れようとする心理です。

例えば、恋人の心が自分から離れることを恐れるあまり、恋人の浮気を疑ってしまったり(他者への攻撃)、フラれたショックをごまかすために暴飲暴食をしてしまったり(自分への攻撃)することが挙げられます。

機械的画一性への逃避(同調)

「機械的画一性への逃避」とは、周囲の人と合わせることによって、自分が自由に発想することを放棄してしまう心理です。

例えば、「ダサい」と思われることを恐れるあまり、無難な服装や髪型を選んでしまうことが挙げられます。

(以上引用)

フロムの3つの分類は、まあ、ほとんど無用の分類で、政治的には「権威主義への逃避」がほとんどだろう。しかもそれは日常生活の「組織」においても同じである。組織内の権力者への反抗は困難であり服従は容易だ。一番の要点は、「自由は面倒くさいし、責任を追及されるし、下手をしたら権力者に処罰される」ということではないか。そこで近代社会では人は自由から逃走し、自分の「決定権」を権力に委譲する。要するに、「権威主義への逃避」ではなく、「権力への恐怖」がその正体だろう。つまり、自ら権力を持つ者はけっして自由から逃走などしない。これは、最近問題化したジャニーズ事務所問題や松本人志問題の起源的原理だ。

「日本人の英語」で名前を知られるようになったと思われるマーク・ピーターセンの「英語の壁」という新書(これは本の種類のことだ。いわゆる新書版の本ということ。)を読んでいて、ある部分でひとつの謎にぶつかったのだが、私は謎解きが好きなので、しばらく考えて、正解と思われる解答に達した。その「謎」をここに載せて、少し空白部をあけた後で、その解答を載せることにする。
まあ、「頭の体操」と思っていい。これは、中学生レベルの英語(英文)が題材だが、高校生や大学生、いや、学校の英語の先生でも問題の意味が理解できない気がする。むしろ学校秀才のほうが首をひねるのではないか。逆に、一読で問題の意味が分かった人は、素晴らしい言語感覚があるか、あるいは米国人と日本人の言語感覚や人間性の違いを知っていると思う。私は留学体験は無いが、英語圏への留学体験がある人は即座に分かるのではないか。ただし、それは私の解答が正解だとしての話だ。
以下がその「問題」の文章だ。引用文は赤字にしておく。括弧内は私の補足。

(willという語の)和訳に「でしょう」を使った用例は一つだけあったのだが、それは「You'll be in time if you hurry.急げば間に合うでしょう」となっていて、この「~でしょう」は、単なる誤訳による「~でしょう」だ。

さて、この和訳がなぜ誤訳なのか、というのが問題である。
ヒントにはならないかもしれないが、続く文章は、こうである。

"You'll be in time if you hurry."という英語は「急げば間に合いますよ」ということを言っているのである。

さて、なぜ前者が誤訳で、後者が正しいとなるのか、説明できるだろうか。私は10分程度で解答を出したので、それくらいの制限時間にしよう。





(解答)?

実は、これは著者のピーターセンの「言語感覚」と日本人の「言語感覚」の違い、あるいはアメリカ人と日本人の人間性(民族性)の違いから来た「断層」だと私は思っている。つまり、日本人的な感覚では、ふたつの和訳の前者が間違い(誤訳)だとは感じないと思う。
フェアを期するために、問題文に先立つ記述も書いておく。
それは、

はっきり言えば、willには『~だろう、~でしょう』という意味は無いのだ。

というピーターセンの発言(文章)だ。ところが、日本語辞書の「will」の意味(訳)として、「~だろう、~でしょう」は当たり前にある。それに慣れている日本人は、前の「問題」の何が問題なのか、分からないわけだ。むしろ、ピーターセンのほうがいい加減なことを言っているのではないか、と思う人すらいるだろう。それほど、willに「だろう」「でしょう」を訳語として当てるのは日本人には普通のことなのだ。

実は、ここに日本人の民族的個性がある。ピーターセンは「will」の示す意味は「未来」である、としか考えないのに対し、日本語の「だろう」「でしょう」は、実は「婉曲」の意図があるのである。それを未来形の訳語にするのは、英語ネィティブの人には、耐えがたい誤りだ、と思われるだろう。
さて、ここで、"You'll be in time if you hurry"に対するピーターセンの訳文である「急げば間に合いますよ」を見てみよう。それと「急げば間に合うでしょう」の違いが日本人にはピンと来ないのではないか。どこが違うの? むしろ、ピーターセンの日本語訳のほうが変じゃないの? と思う人がいると思うが、それは、それが「日本人的という点では自然な感覚」だからだ。つまり、少しでも未来のことなら、ある予定や予期が100%実現するとは限らないから、婉曲に「だろう」「でしょう」を使うわけだ。それが欧米人的感覚ではないのではないか、というのが私がここで主張していることである。欧米人は、自分が正しい(かなりな蓋然性で、あることが実現する)と思えば、それが100%でなくても主張する。日本人はそういう場合には「だろう」「でしょう」と婉曲に言う。これがwillの「誤訳(ピーターセン流に言えば)」になるのだと思う。そういう「主張や表現の曖昧さ」を欧米人は卑怯卑劣だと感じるのではないだろうか。







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