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連歌の付け合いの心理的流れを、分かりやすい語句の連歌で考察してみる。


「なれにし人も夢の世の中」


という七七に、どう五七五を付けるか。

これは、明らかに人事である。しかも、おそらく恋の句である。愛した人との離別後の寂しさである。人生をはかなむ気持ちである。わずか七七に「お腹いっぱい」の人事が詰め込まれている。
とすれば、ここは人事との「逆」で自然を詠み、気分をさっぱりさせると共に、しかも「別れ」とか「はかなさ」の気分は共通部分として残すことで連歌としての一貫性を出す、という方向がベストだとなる。そこで、能阿という連歌師はこう続けた。

「山桜けふの青葉をひとり見て」


「けふ(今日)の青葉」とは、桜の花が散ってだいぶ時が経ったということだ。つまり、桜の花との「別れ」、開花の時がもはや「夢」となるだけの時間経過、散った櫻花の「はかなさ」による人生のはかなさの象徴という七七との共通部分がここにはある。
この二つを続けて読むと、見事に和歌として成立している。しかも名歌と言っていい。


「山桜けふの青葉をひとり見て なれにし人も夢の世の中」


以上、宗祇の「老いのすさみ」を解説した文章を参考に私の分析を述べた。
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