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「刑事コロンボ」の、邦題「偶像のレクイエム」(原題は「スターへのレクイエム」か)には、何とイーディス・ヘッドの本人が出てくる。これはアン・バクスターとかメル・ファーラーが出るよりも珍しい。ハリウッドの伝説的存在と言っていいだろう。
概して「コロンボ」は、古きよきハリウッド映画へのオマージュが随所にあり、昔、名作映画に出た俳優がゲスト出演することが多い。そのほかにも、欧米文化への知識があるほど細部が面白く思えるから、子供が見るよりも、大人が見て面白い。たとえば、「ロンドンの傘」という回には「道」で映画史に名を残した名脇役リチャード・ベイスハートが「脇役から主演役者になりたくてたまらない役者」を演じるという皮肉も面白いが、ロンドン風景や、劇伴に「ルール・ブリタニア」の変奏と思われる曲が出てくるのも面白い。「マクベス」の名せりふが出てきたり、被害者の読みかけの本が「不思議の国のアリス」の初版本だったりするのも、ストーリーには関係なくても面白い。執事役をやっていた俳優は、おそらく、「時計仕掛けのオレンジ」で大臣をやっていた俳優ではないか。そういう脇役で「顔見知り」を見つけるのも楽しい。
ただし、推理劇としてのプロットは、最初の数回以降はあまりたいしたことはないようにも思うが、まあ、これは現段階での感想だ。

「プロット」で思い出したが、ヒッチコックの「ファミリー・プロット」は、推理劇あるいはサスペンス劇としてのプロットは実に優れている。俳優が三流俳優しか使っていないので高く評価されていないのは気の毒である。「フレンジー」も同様。両作品とも主役が小悪党たちなので、観客が感情移入しにくい、ということも不人気の原因だろう。ただ、もともとヒッチコックは小悪党を描くのが好きなのではないか。ジェームス・スチュアートやケーリー・グラントを使った場合でも必ずしも善人役ばかりでもない。
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