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S4 幻影マジックショー事務所

団長の如月、マネージャーの水無月が話している。
水無月「ですから、今月中に先方に600万振り込まないと、うちは倒産です」
如月「分かっている。何度も言うな」
水無月「ただでさえ苦しいのに、絢子ちゃんの変死まであって、踏んだり蹴ったりです」
如月「公演は続ける。絢子の後釜はシモーヌ美和子で行く」
水無月「はあ、そうですか。美和子は喜ぶでしょう。チーフアシスタントをやりたがっていましたから」


S5 米華劇場

蘭「珍しいわねえ。コナン君がマジックショーを見たいなんて」
コナン「うん、この前の事件があって、幻影マジックショーってどんなかなあって興味がでちゃった」
コナン(横を向いて独り言)「なんちゃって、本当はマジックなんて興味ないけどね」

舞台ではマジックショーが行われている。紋切型のマジックがほとんど。

蘭「魔術師如月のアシスタントさんはシモーヌ美和子って人に代わったんだ」
コナン「ふうん、あの人魔術師如月って言うんだ」
コナン(横を向いて独り言)「なあにが魔術師だよ。ペテン師の間違いだろ」

舞台で、如月が、ホスト風のにやけた顔で、マジック成功の後の気障な一礼をしている。

S6 劇場楽屋

美和子「絢子のこと? そうねえ、人から恨まれるような子じゃなかったけど、昔のことは分からないからねえ」
蘭「昔って?」
美和子「ここに来る前は彼女ファンタジックサーカスにいたのよ」
蘭「でも、そこ潰れたんですよね」
美和子「そう。だから、倒産のどさくさで、いろいろあったかもしれないわね」
蘭「恋人はいなかったんですか」
美和子「いなかったと思うけど、まあ、確かなことは言えないわ。案外、秘密の恋人がいたりして」
コナン「団長さんとか?」
蘭「こらっ、小学生がなんてこと言うの」
コナン「だって、ポスター見て、あの二人お似合いだなあって思ったんだもん」
美和子(笑って)「残念ながら見当ちがいね。実は、これは秘密だけど、うちの団長、女には興味無いの」
蘭「ええーっ。もしかしてそれって」
美和子「それそれ」
二人でくつくつ笑う。
コナン、まったく理解できないような顔を作る。




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