ルーン文字の解読なども絡めると興趣が増すかもしれない。
イギリスの地名は、語感に趣があるものが多い。
コーンウォールとかヘブリディーズ諸島とか。
ケルト十字
ケルト十字(ケルトじゅうじ)はラテン十字と十字の交差部分を囲む環からなるシンボルである。
ケルト十字の起源はキリスト教以前にまでさかのぼるが、後にケルト系キリスト教の特徴的なシンボルとなった。ケルト美術の主要な一部ともなっている。この意匠はまた、アイルランド十字やアイオナ十字とも呼ばれる。
起源[編集]
アイルランドと大ブリテンのケルト地域では、支柱を持たない多くの十字架が立てられ、最初期のものは遅くとも7世紀にさかのぼる。これらのケルト十字の中にはルーン文字の碑文が記されたものがある(ルーン石碑)。いくつかはアイルランド以外にも、コーンウォール(ペランポースの聖ピランの十字などが有名)やウェールズ、ヘブリディーズ諸島などに残っている。他にもカンブリア州やスコティッシュ・ボーダーズに十字架があるが、いくつかは似通ったアングロ=サクソン十字である。
十字と円環を組み合わせた表現は広く見られ、キリスト教以前にも存在した。太陽十字と呼ばれるこれらは、青銅器時代のヨーロッパにみることができる。
アイルランドの伝説[編集]
アイルランドでは、聖パトリックが異教のアイルランド人を改宗させる際にこのケルト十字を創った、という伝説が広く信じられている。彼はキリスト教のシンボルであるラテン十字と太陽のシンボルである円環を組み合わせたとされる。これは太陽の生命の源としての属性を十字と結びつけることで、十字の重要性を異教の信者に伝えるためである[1]。
政治的なシンボル[編集]
ケルト十字や太陽十字に類似したシンボルは白人優越主義やネオファシズムのグループのいくつかが象徴として使っている。それらの多くは単純な線からなる非常にシンプルな意匠であり、伝統的なケルト十字の装飾的な複雑さはもたない。これらは「太陽の車輪; sun wheel」とも呼ばれる。これらのグループがなぜケルト十字をシンボルとして採用したのかは不明だが、このシンプルな意匠に鉤十字と類似する点があったからではないかと考えられている。
現在のフランスやイタリアといったヨーロッパ諸国では、ケルト十字はこの政治的な使われ方のほうが強くなり、伝統的な意味で使われることは少なくなっている。フランスでは、このシンボルは Occident や GUD といったグループが採用している。イタリアでは、このシンボルはファシズムや人種差別主義の象徴とみなされるため、競技場内での掲揚が禁止されている。
ケルト十字はまた、ブルターニュ・ナショナリズムといった、少数派としてのケルト人に対しての自治権拡大などの政策を支持する政治運動とも結び付けられる。