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エラリー・クイーン「オランダ靴の謎」読了。
不自然の極みである。犯行機会から見て一番可能性が高いが一番動機の無さそうな人物が犯人だとされ、その動機が一番最後に明かされるという、卑怯そのものの解答であり、何が「読者への挑戦状」だよ、である。なお、靴の舌革(という言い方をするらしい)の状態から見て、犯人は女だろう、というのは読んだ瞬間に分かった。また、金持ち娘の養育係が実の母だろう、というのもすぐに想像できた。二番目の殺害のトリックは、その殺害自体が「誰でも可能」ではないか、としか思えない。医師の部屋に入った知人が、医師の隙を見て殴ればいいだけの話で、本当に「後ろから殴らないとこういう傷にはならない」のか、嘘くさい。
国名シリーズの題名もひどいこじつけで、この話の中の靴とオランダは無関係である。
解説によれば、「オランダ靴の謎」が国名シリーズの中でも一、二の傑作とされているらしい。ならば、他の作品も読む価値無しだろう。ただし、クイーンの作でも「Yの悲劇」は推理小説の最高峰だと思う。それほど推理小説を読んでいないが。もっとも、推理小説は長編より短編に傑作は多いような気がする。
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