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ダンスフロアは大きな、動力化されてゆっくりと回る円盤だった。椅子とテーブルはその外周に列をなして並べられていた。その上方には大きなシャンデリアが天井から吊るされ、曇りなく磨かれた木のフロアがその光を氷の敷布のように反射していた。円盤の向こうにはバンドのステージが、競技場の観覧席のように一段高く作られていた。そのステージでは二組のフルオーケストラが30分交代で演奏し、一晩中休みなく豊潤な音楽を供給していた。右側のひとつは二組のフルドラムセットを備え、ミュージシャンたちは赤い象のロゴの入ったブレザーを着ていた。左側のオーケストラのメインの出し物は10人のトロンボーンセクションで、この一座は緑色の仮面を着けていた。

(訳者注:文末が「~た。」の連続で単調な訳になっているのは分かっているが、面倒なのでそのままにしておく。基本的に、15分以内で訳すのを毎回の仕事量としているので。そうでないと根気が続かない。本当は辞書を引くのも面倒くさい。しかし、英語に訳された文章を読んでいると、村上春樹の作品は、日本人が考えているより名文なのだろうな、という感じはする。構成の妙、比喩の妙、小道具や細部の妙、ストーリー展開の妙を含めての話だ。だが、他の作品を知らないので、これは「踊るドワーフ」に関しての感想だ。ある意味、英語で読むと良さが分かるような性格の名文なのかもしれない。彼の作品の世界的な評価が高いのはそのためではないか。)


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