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娯楽の要素を「ギャンブル・スポーツ・鑑賞」と規定してみたが、これからの娯楽商売を考える上で一番大事なのは、「庶民にはカネが無い」ということだろう。
ここから出てくる帰結は

1)安い大衆娯楽を発明する
2)金持ち用の新しい娯楽を考える

の二つとなるが、後者には当然高額の資本金が必要になるから、考えるまでもない。ゴルフ場などが廃れているのを見ても、今の金持ち相手の娯楽商売は困難だ。だから、闇カジノなどに手を出す金持ちが出てくるのである。金持ちにふさわしい娯楽が無い。流行っていないゴルフなどをしても空しく思うのだろう。
庶民相手の安価な娯楽について考えてみよう。
「ボーリング」や「麻雀」はなぜすたれ、「カラオケ」や「パチンコ」はなぜすたれないのか。
いや、ボーリングなどはまだすたれてはいないだろう。若者だけの場になってしまっただけだと思う。かつてのように老いも若きもという娯楽ではなくなり、「大人」は行きにくいものとなった。それは「流行りではない」からだ。ゴルフと同様である。ディズニーランドも「流行り」ならば大人も行くが、流行りでなくなったら、大人は恥ずかしくて遊園地など行かない。
「麻雀」は、時間拘束が長すぎる。一晩ぶっ続けでやらないと麻雀は面白くないし、今どき、そんな時間の余裕のある庶民はいない。面子を4人探す苦労が大変だ。他者とのつきあいで毎日気苦労があるのに、個人的な時間まで他人とつきあいたくない、という若者も多いだろう。恋人やセフレとのつきあいは、性欲というエンジンがあるから別である。
「カラオケ」がすたれないのも、そこには「男女関係のいい機会」という要素があるからだろう。しかも、「密室」だ。男女の絶好の発展場である。
「パチンコ」は言うまでもなく、カネが儲かるかもしれない、という射幸心がエンジンである。
つまり、これから儲かる娯楽関係の新商売には「性欲の満足につながる」か「射幸心を刺激する」かのどちらかの要素があれば、かなり成功確率は高い、と言えそうである。
前者は法に触れる可能性があるし、後者も法律すれすれだ。抜け道は、「甘納豆くじ」のような子供相手の「ギャンブル」だろうか。もちろん、単純な運任せだけのゲームではなく、そこに「頭脳と経験で勝率が上がるシステムを組み込む」などのバリエーションも考えられる。
ネットを使って、壮大な「仮想野球世界」を作る、(小説「ユニバーサル野球協会」のネット版)というのも面白いのではないか、と思うが、これは構築したり商売化したりするのにカネがかかりそうな案だからここでは考察しない。
実は、「鑑賞」というのが現代のもっともポピュラーな娯楽である。つまり、「スポーツ観戦」だ。野球やサッカーをテレビで見ることだ。相撲やボクシングなどもある。これらは、一番安価で楽な娯楽だが、これを使って金儲けをするのは大資本にしかできない。
ただし、「便乗商売」はできる。ダフ屋や飲み屋(酒を飲むのではなく、ギャンブルのノミ屋である。)などだ。もちろん、これは違法行為だから、お勧めはできない。鑑賞することだけが庶民にできることだ。あるいは、自分自身がそのスポーツをやればいい。草野球などだ。
結局、手軽に始められる娯楽商売というのは

1)たいして儲からない(相手が子供だったりする)
2)法律に触れる

のどちらかになるだけ、かと思われる。

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