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「どうして私は信頼できると思うんだい」
ダイネは肩をすくめた。「信頼してはいないよ。あなたは私を信頼できるって、どうして思えるの?」
「そいつは冗談なのかい」オヌアは厳しい声で言ったが、その目は笑っていた。彼女の最近の二人の助手にはユーモアのセンスは無かった。
ダイネは彼女に素早く笑いかけ、囲いの中によじのぼって入った。その手には陶器のビンと綿布を持っている。オヌアが驚いたことには、去勢馬の『いちご』が少女の傍に踊るような足取りでやってきたのである。もしも誰かがその朝に、彼女の受託馬の一頭が、自ら耳掃除のために誰かに頭を下げるだろうと言ったら、彼女はそいつ自身が病気だと笑い飛ばしただろう。
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