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私が小学五年生から剣道を習い始めたことは前に書いたが、私とほとんど同時に祖父の道場に入門した女の子がいた。祖父の数少ない門弟の飯島直哉という人の娘で、私と同じ小学五年生の飯島尚(なお)という子である。背の高さが私とまったく同じで、運動神経のいい子らしく、私と手合わせしたら、ほとんど彼女に私は負けていた。特に小手を打つのが上手く、上段からでも中段からでも下段からでも簡単に相手の小手を打つ才能があった。ただ、接近戦が嫌いなようで、私が体当たりすると「卑怯だ!」と怒ったものである。と言われても、遠距離戦だと私は簡単に小手を打たれるのだから、接近戦に持ち込んでゴチャゴチャした試合にするしか尚に勝つ方法が無かったのである。私たちの試合は祖父ではなく母の明里が指導したが、母も私の「体当たり戦法」を下品だ、と叱ったりした。しかし、祖父はニヤニヤしているだけで、それには文句を言わなかったのである。
「剣道の試合なら上品も下品もあるだろうが、実際の剣なら、どんな形でも相手の体に剣が触れれば大怪我になる。体当たりも、それが自分に有利なら使って悪いことはない」
というわけである。
それでというわけではないが、私は立木に座布団を縄で巻いて、体当たりの練習などもした。幸い骨がまだ柔らかいので骨折などしたことは無かったが、今思えば、乱暴な練習をしたものである。この体当たりの練習が、後に私が別のスポーツをやった時に案外役に立った気もするが、それは別の話だ。
しかし、剣道よりも、私の興味を惹いたのは、少年野球だった。
そのきっかけは尚だった。彼女がクラスの男子に誘われて少年野球のチームに入るついでに、私を誘ったのである。もしかしたら道具運びなどに利用するつもりだったかもしれないが、私も少年漫画などを見て野球というスポーツに興味を持ち初めていたので、その誘いに乗ったわけだ。
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