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山口雅也という推理小説家の作品は読んだことが無かったが、彼の初期作品の主人公名の「キッド・ピストルズ」という名前が嫌いで、自分には合わないだろうと思っていたからだ。
で、たまたま市民図書館で見つけた「(続)垂里冴子のお見合いと推理」という作品が、お気楽感のあるタイトルで読みやすそうだったので借りてみた。まあ、作品内容は想像通り、気楽に読める軽い内容だったが、文章がところどころ引っかかる。
たとえば「自殺を遂げた」という表現があるが、これはまるで自殺が念願の事業だったみたいである。もちろん、法律用語としては「未遂・既遂」という言葉があり、「遂げる」という言葉にはプラスイメージもマイナスイメージも無いことになっているが、現実社会では「遂げる」は、何かの目的を遂げるというプラスイメージが強いだろう。
もうひとつは、何かの装置の先端に「虚ろな穴」が開いていた、という表現で、「虚ろな穴」とは、まるで「丸い球体」みたいな表現ではないか。虚ろだから穴というのであり、特に何かが充填されていないかぎり、穴は虚ろに決まっている。
こうした表現のデティールは、作家なら気にするはずだが、かなりベテランになってもこういう「雑な」表現をする作家は、私とは無縁なようだ。
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