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某ブログから孫引き引用。

(以下引用)

戦闘教師「ケン」 華東大乱編 より

上記文抜粋
・・・・・・・・・・・・
旧軍による略奪の構造
ゲーム会の仲間の一人から「日本軍は何故あんなに略奪したのか」と聞かれた。
別に日本人を責める目的ではなく、あくまで歴史的関心からである。
この点、幸いにして最近、日中戦争関連の本を何冊か読んでいたので助かった。
まず、日華事変の特に初期の場合、略奪の主体は主に日本軍ではなく、中国・国民党軍であった。
国民党軍が退却する際に、民家を略奪して火をかけ、場合によっては兵装を捨てて略奪した民間人の服に着替えて、そのまま軍から逃亡してしまうのである。
初期の日本兵の記録を読んでいると、「中国兵というのは自国の民に酷いことをするものだ」みたいなことがよく書かれており、実際のところそう思ったのだろう。
日本兵による略奪が増加してくるのは、南京陥落前後である。
戦線が拡大したことで、兵站機能が大きく低下したにもかかわらず、兵站能力を無視した作戦を行ったことが第一。
国民党、共産党を問わず、ゲリラ戦が行われた結果、対ゲリラ戦(COIN)の中で殲滅戦が行われ、ゲリラと関係があると思われた家は略奪と放火の対象となり、それは時とともに激化、対象も際限なく拡大していった。
多くの場合、日本軍であっても作戦開始に際しては兵站を準備する。
策源地には兵站の山ができ、一応は規定数が準備される。つまり、計算上は問題ない。
ところが、日本軍は自動車化が遅れており、トラックもあるが、作戦を開始して敵地や不整地を走るようになると、途端に故障が続出してしまい、牛馬による輸送に頼ることになる。
作戦開始後、数日は補給が届くが、5日もすると補給が滞ってしまうのはザラであった。
策源地で「これだけ物資があれば今回は大丈夫」と思った兵も、数日後には「あれは何だったのか」と疑問を覚えたという。
一方、兵卒は尋常ならざる糧食を持たされる。
陸軍の場合、米麦が一日6合分を基準とし、副食物(乾燥味噌、同野菜、缶詰など)を含めて約1.3kg。これを7日分持たされるので、これだけで9kgとなる。それ以外の武装と兵装を合わせて30kg前後になるのが普通だった。
ドイツ軍やアメリカ軍の場合、2日分あるいは3日分しか携行しないので、糧食は2~3kg程度で済む。
そのため、日本兵は「糧食は後で取りに来れば良い」などと理由をつけて、糧食を放置あるいは隠匿して少しでも身軽になろうとした。
結果、作戦開始から5~7日もすると、糧食を欠くところとなり、民家から「徴発」するところとなる。
最前線の部隊は軍票などを使って一応は購入の形をとり、中国人も応じる。
が、後から来た部隊には「売れない」「もう何もない」という話になり、日本兵は「では強制徴発だ」となってしまう。
暴力的に略奪をした場合、証拠を隠滅するため、理由をつけて放火する。
さらに遅れてやってきた増援部隊は、延焼して略奪され尽くした村を見て、「俺らの食い物どうすんだ!」と激昂し、近隣の村に略奪に向かうことになる。増援部隊もみな徒歩で行軍するため、前線に着く頃には糧食がなくなっているためだ。
結果、中国戦線では「最前線の部隊が一番楽」とすら言われたという。
それでも、中国軍が先に略奪、放火して退却するケースも多く、中国人民は自国軍と日本軍の双方によって略奪されるところとなった。これが、後の国共内戦で人民解放軍が圧勝する原因にもなる。
また、作戦の計画段階では期間を1週間など、兵站がギリギリ機能する範囲で設定されるのだが、殆どの場合、作戦中に期間が延長されるため、延長期間は殆ど兵站が機能しなくなってしまう。そのため、「糧食は前線で調達」が基本となり、実質的に略奪が容認されるところとなる。
ドイツ軍でもアメリカ軍でも兵站計画は重視されており、兵士一人ごとに必要なカロリーから弾薬まで緻密に計算した上で、その作戦が実施可能かどうかの判断がなされた。
ところが、日本軍の場合、まず作戦計画が策定され、その計画に従って兵站計画が作られるため、補給が可能かどうかが問われることは少なく、そもそも兵站を専門とする幹部(陸大)の育成すらされていなかった。そのため、作戦会議などにおいても、兵站将校の発言力は極めて弱かった。
この4月に政府によって否定された「従軍慰安婦」は、そもそも前線兵士を後送、休養させることができない日本軍の制度、体質が「慰安婦を伴って前線に出る」選択をなさしめた結果であり、この点でも「従軍」は当時の実態を表していたのである。
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