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「本物の古い写真に見えるね」私は彼の興味を惹こうとして言った。
「革命前は」と彼は事実を述べる口調で言った。「私のような年寄りでも小僧だったのさ。だが、誰でも年を取る。あんたもすぐに私のようになるさ。待っててみな、坊や」
彼は大口を開いて笑った。唾が飛び、歯が半分失われた口の中が見えた。
それから彼は革命の話を始めた。明らかに彼は王も革命軍も嫌っていた。私は彼の喋るままにさせ、Mecatolをもう一杯彼に奢った。そして、タイミングを見計らって、彼はもしかして踊るドワーフのことを知らないかと聞いた。

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私はその男が、「磨き作業をしている3人の工員」とラベルを貼られた色あせた写真の下でMecatol(訳者注:酒の名かカクテルの名だろう。実際にあるものか、架空の酒かは不明。工場を思わせる「メカ」と「アルコール」を合成した名のようにも思われる。)を飲んでいるのを見つけた。私が彼の傍のスツールに腰を下ろすと、彼は写真を指して、「この、こいつが俺だ」と言った。
私は横目でその写真を注視した。右の方の、12歳か13歳くらいの少年が、この老人の若いころかと思われた。どこにも似たところは無さそうだが、一度指摘されたら、その両者の鋭い鼻の形や平たい唇の形の類似は明らかに見てとれるだろう。明らかに、この老人はいつもここに座り、新来の客が入ってきたらいつも、「こいつが俺だ」と言っているのだろう。
その居酒屋は古い古いところだった。それは私が生まれる前から、あの革命の前からその場所にあった。何世代も前から今まで製象職工たちはここで酒を飲み、トランプゲームをし、歌うためにそこにやってきた。壁には製象工場の古い写真が並んで貼られていた。その中には、初代社長が労働者たちの仕事を視察しているところとか、昔の銀幕の女王が工場を訪れた写真とか、夏のダンスパーティの写真とか、その類のものがいろいろあった。革命軍は、王や王室や、その他王党派のものと見なされる写真はすべて燃やしたのだ。当然、ここには革命の写真もあった。革命軍が工場を占拠し、管理人を縄で縛った写真などだ。






終業のベルがなるとすぐに私はステージ6のエリアに行ったが、その老人の姿は無かった。ただ、二人の若い娘が床を拭き掃除しているだけだった。痩せた娘が私に、その老人はおそらく居酒屋に行ったと思う、と言った。古い方のね。実際、そこで私はその老人を見つけた。背中をまっすぐにしてバーに座り、弁当箱を傍に置いて飲んでいた。






彼はとうとう最後にはなんとか思い出したが、それは3時間後で、太陽は沈みかかり、退出時刻間際だった。
「あいつだ!」彼は叫んだ。「ステージ6の老人! 知ってるだろう? 人工頭髪を生やしている奴だよ。君も知ってるはずだよ。長い白髪を肩まで垂らして、ほとんど歯が無い奴。革命前からずっとここで働いているんだ」
「ああ!」私は言った。「彼か」
私は彼を居酒屋で何度か見たことがある。
「ああ、彼はずっと前に私にドワーフの話をした。彼はそいつはいいダンサーだったと言った。私はたいして気にも留めなかった。彼は老衰しているんだと思ってな。だが、今は私には分からない。結局、彼は頭がおかしかったわけではないのかもしれない」
「それで、彼は君に何て言ったんだ?」
「ううん、あまりはっきり覚えていない。だいぶ前のことだしな」彼は腕を組んで再び考えにふけり始めた。だが、思い出せそうにはなかった。彼はstraight upして(訳者注:意味不明。straightを動詞として使う用法は私の辞書には載っていない。背筋を伸ばすか、組んでいた腕をほどいたのかと思う。)言った。「思い出せん。自分で彼のところに行って聞くんだな」


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