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「僕はこんな風に踊りたかった。だから南に来たんだ。僕は居酒屋で踊った。有名になり、王様の前でも踊った。もちろん、革命前のことだ。革命が起こると、ご存じの通り王様は逃げ出し、僕は町から消えて、生きるために森の中に来た」
ドワーフは空いた所の真ん中に来て、再び踊りだした。私はレコードをかけた。それはフランク・シナトラの古いレコードだった。私は、王座の前で踊る彼を思い描いた。キラキラ光るシャンデリア、居並ぶ美しい貴婦人たち、異国の果物に、護衛兵の長い槍、太った宦官たち、宝石で飾られたローブを着た若い王様、汗まみれになりながら、確固たる集中力で踊るドワーフ。その豪華なシーンを思い描きながら、その一つびとつの瞬間に私は革命の砲声が遠くから響いているのを感じていた。








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「君には僕の話を聞く時間なんか無いと思うんだが」ドワーフは私をちらりと見て言った。「長い話なんだ」
どう答えるべきか分からないまま私はもうひとつブドウを手に取った。時間は私には問題なかったが、私はドワーフの長いライフストーリーを聞きたい気持ちはまったく無かった。それに、こいつは夢である。すぐにでも雲散霧消するはずの。
私が答えるのを待たずにドワーフは指をパチンと鳴らし、話を始めた。「僕は北の国から来たんだ」と彼は言った。「北のそのあたりでは誰もダンスはしない。誰も踊り方を知らないんだ。連中は、誰かがそういうことができると思いすらしない。だが、僕は踊りたかった。ステップを踏み、腕を揺らし、頭を振り、くるりと回る。こんな風に」
ドワーフはステップを踏み、腕を揺らし、頭を振り、くるりと回った。すべての動きそれ自体はシンプルだったが、その四つの動きのコンビネーションは信じがたいほど美しい動きを作り出し、ドワーフの体はまるで光の球がそこに現れたかのように見えた。





「君は素晴らしい踊り手だ」私は彼に叫んだ。「君は音楽そのものだ」
「ありがとう」少し気取った感じで彼は答えた。
「君はいつもこんな風にやるのかい」
「まあね」と彼は言った。
そしてこのドワーフは足の爪先で美しい回転を行い、彼の柔らかな波打つ髪は風に流れた。私は拍手した。私はこれまで、これほど完璧なダンスを見たことがなかった。曲が終わるとドワーフは敬意をこめたお辞儀をした。彼はダンスをやめ、タオルで汗を拭いた。針がレコードの中心部でこつこつ音をたてている。私はプレーヤーのアームを持ち上げ、スイッチをオフにし、そのレコードを一番手近にあった空のジャケットに入れた。






だが、こうしたゴタゴタはドワーフには何の問題もないようだった。かかっている曲が何であれ、それで踊ることができれば、彼は満足だった。その時彼が踊っていたのはチャーリー・パーカーのレコードで、そいつは「クラシック・ギター・グレート・セレクション」というジャケットに入っていた。彼の体は竜巻のように回転し、それはまるでチャーリー・パーカーのサキソフォンから注がれる荒々しい音のつむじ風を吸い上げているかのようだった。ブドウを食べながら、私は彼が踊るのを眺めていた。
彼は汗をかいていた。彼の頭がスイングするたびに彼の顔から汗が飛び散り、彼の腕が波打つたびにその指から汗が放射された。だが何者も彼を止められなかった。レコードが終わるたびに私はブドウの入ったボウルを新しいブドウのボウルに取り換えた。そして彼は踊り続けた。
一人の(一匹のと言うべきか)ドワーフが私の夢の中に現れて、ダンスを踊ってくれと私に言った。
それがただの夢だと私は知っていたが、その時の私は現実生活と同様、夢の中でも疲れていた。そこで私は非常に丁重にお断りした。ドワーフは気分を害した風もなく、自分ひとりで踊りだした。
彼は地面にポータブル・プレーヤーを置き、音楽に合わせて踊った。レコードはプレーヤーの周りに散乱していた。そのうちの幾つかを私はあちこちの山から拾い上げた。それらはまったくの音楽的ごた混ぜで、まるでドワーフはそれらを目を閉じて手に触れた限り集めたかのようだった。そしてどのレコードもその正しいジャケットの中に入っているものはなかった。ドワーフは演奏半ばのレコードをターンテーブルから取り上げ、ジャケットに入れもしないでレコードの山の上に投げ、その後でいい加減に手あたり次第のジャケットに入れた。グレン・ミラーのジャケットの中にローリング・ストーンズのレコードがあり、ラベルの「ダフニスとクロエ」の中にミッチ・ミラー合唱団があったりした。








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