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踊っていない時には、このドワーフは弱弱しい、悲しげな生き物だった。おそらく、彼がかつては宮廷の堂々たる名士であり踊りの権威であったと想像できる人はいないだろう。
「少し具合が悪そうだね」私は言った。
「ああ」彼は応えた。「森の中はとても寒くなるんだ。長い間一人で暮らしていると、健康に異常が出てくる」
「それは大変だ」私は言った。
「私にはエネルギーが必要だ。私の血管に流れ込む新しいエネルギー源が必要だ。踊って踊って、雨の中でも風邪を引かず、野原や丘を駆け巡るエネルギーが私には必要なのだ」
「なるほど」私は言った。(訳者注:「Gosh」の訳は、辞書では「えっ」とか「おや」と書かれているが、場面に合わないので、「なるほど」と訳した。基本的には驚きを示す間投詞だが、村上春樹的主人公が、ここで驚きを示すのは私には違和感があるからだ。)


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