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高木彬光の「古代天皇の秘密」という古い作品をこの前から読んで、昨日読み終わったのだが、古代史の謎の解明そのものより、何が古代史の謎かというリストアップのほうが私には関心がある。で、その冒頭部分に書かれた「古代史の謎」は、私流にまとめるとだいたい次のようなものだ。

1:倭人とは何か。
2:高天原はどこか。
3:天孫降臨とは何か。
4:出雲の国譲りの真実。
5:須佐之男命の真実。
6:神武東征の真実。
7:欠史八代の真実。
8:神功皇后の三韓征伐の真実。
9:邪馬台国の真実。

で、これらの「謎」についていろいろ解説したり考察したりするわけだが、結局どういう結論になったのか、私には漠然としていて、その論証部分はどうでもいい感じだ。
私自身の考えを書いておく。


1については単純な話で、当時の中国人(チャイニーズの訳語としてはシナ人でも可。)が日本人を指して呼んだ言葉で、人種的には縄文人と弥生人(大陸からの渡来民族で、主に朝鮮人)の混合である。大和朝廷は渡来人の王朝だと私は見ている。ノルマン人のイギリス征服のようなものである。縄文人駆逐過程を見れば、イギリス人のインディアン掃討に似ている。
2:これも単純で、朝鮮半島の一部、大和朝廷の父祖の地で、半島南部、おそらく任那(カヤとかカナとも言う。)だろう。「民族の故郷」的に、漠然と朝鮮半島全体を指すとも言える。
3:これも単純で、敗戦で朝鮮半島を追われた朝鮮人の集団が日本に移住し、その国土を侵略したことである。侵略方法は武力よりも謀略が主な手段であったことは記紀に詳しい。
4:朝鮮人の日本国土侵略の中でも大きな意味を持つ出雲奪取の意味である。実際には「国譲り」ではなく、戦争があったと思われる。「国譲り」と誇称することで、略奪ではなく譲渡だから、国家主権の正当性と宗教的優位性が朝鮮側にある、という象徴性を持たせた神話にしたのだろう。
5:個人としてのスサノオが存在した歴史的事実は無く、「出雲の国譲り」の補強的な物語として捏造された神話だろう。スサノオが日本侵略の尖兵たちの象徴であることは、スサノオの神話を見れば分かる。これは別項に書く。
6:これは、神武天皇が実在したかどうかは別として、「大和朝廷の東征」は歴史的事実だろう。その主な目的は、稲作の適地を求めてのものかと思う。それに、それまでの原大和朝廷の所在した九州は「熊襲」との争いが面倒だったのかと思われる。
7:単純に、この八代の天皇はフィクションだろう。実在しても、事績がゼロに近いのだから考察する必要性も無い。
8:これは事実だと思う。もちろん、妊娠したまま渡海して戦場に出たというのは嘘だろうが、朝鮮半島での「失地回復」の戦争をしたのは事実だろう。父祖の地を取り戻すことは大和朝廷の悲願だったわけだ。
9:所在地は九州北部だと思うが、特に私には興味の無い話題である。高木彬光氏があれこれ考察した上で現在の大分県のあたりだとしているなら、それでいいと思う。


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