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勝海舟の父親、勝小吉に「夢酔独言」というのがあるが、夢酔は小吉の筆名というか号である。今回からブログカテゴリーに新設した「夢中独言」は、まとまりのない思考を書きつづるもので、日記にもならない独り言だ。毎日書くというわけでもない。日々の生活そのものが夢のようなものだ、という意味での「夢中独言」である。

「為すこともなく日は暮れて」というフレーズが、ここ二か月ほど頭の中で繰り返されているのだが、本当に何もできない。これは、年を取ったからかと思う。
無駄に時間が過ぎていく、という焦りはあるが、何か有益なことをしようと思うと「時間が足りない」と思ってしまう。たとえば、今から絵を練習しようとか、書道をやろうとか、写真を趣味にしようかとか、いろいろ考えても、それらは「できたらいいだろうなあ」とは思わせるが、「上達するまで自分が生きていられるか」と思ってしまうのである。かといって、小説を読んだりテレビを見たりゲームをしたりでは、時間がもったいない。この年になると、読む価値の無い本を読むほどの時間の無駄遣いはない。ゲームのほうがまだマシとすら思う。
思えば、本の世界に没頭できた頃が、私の黄金時代だったのかもしれない。現実人生はゼロであっても、頭の中での体験は最高のものだったのだから。まさに至高体験だった。
今、トルストイやドストエフスキーを読んで、あの頃の感動が得られるとは思えない。感受性が鈍磨してしまったのだ。そういう意味では、読書も若いうちにやるべきものだ。恋愛体験などなくても、本の中で、本物よりすばらしい恋愛が体験できる。
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