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「タホイというのはクミールの言葉で牡牛の意味さ。気をつけな、そいつは主人以外には危険だから……」オヌアは言いかけて黙った。タホイの羽毛のような尻尾が振られていた。戦士のような、彼女の番犬が、機嫌のいい子犬のようになって、ダイネの掌をなめ、立ち上がって彼女の顔を嗅いだ。「そいつは番犬だと思われていたんだけどねえ」オヌアは眉をひそめた。「愛玩犬なんかじゃなくて。すべての人間を自分の友達と思うようなね」
「彼を責めないでください」ダイネは顔を上げて、弁解するように言った。彼女の指はタホイの掻いて貰いたいところを掻いていて、犬の尾は嬉しげに地面を叩いている。「動物たちは私が好きになるんです。それだけです」
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冬山想南
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