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「慰めてくれなくてもいいよ」彼は言った。
「御免なさい、って言っても無駄かしら」
「無駄だね」
「あの事が、どういうことなのか言っても?」
「聞きたくないね」
「あなたをとっても愛しているの」
「そうだな。君があそこに行くことでそれが証明されるさ」
「御免なさい」彼女は言った。「どうしても理解してもらえないのね」
「理解しているさ。理解しているのが問題なんだ」
「そう」彼女は言った。「もちろん、あなたには気分のいい事じゃないわね」
「確実にね」彼は、彼女を直視して言った。「これから先ずっと、俺は理解しているさ。昼も夜もずっとな。特に夜には一晩中考えるだろうよ。俺は理解しているよ。その点に関しては君の心配は要らないさ」
「御免なさい」彼女は言った。
「その相手がもし男ならーー」
「言わないで。男のはずが無いでしょ。私を信用しないの?」
「面白いな」彼は言った。「君を信用する? ほんっとうに面白い」
「御免なさい」彼女は言った。「私の言えることは全部言ったわ。でも、私たちが信頼し合っていたら、そうじゃないふりをするのは無意味よ」
「いや」彼は言った。「たぶん、信頼など無いと思うよ」
「あなたが私を望むなら、私は戻ってくるわ」
「いや、そうしなくていい」
それから二人はしばらく黙り込んだ。
「あなたを愛していると言っても、信じてくれないでしょうね」少女は聞いた。
「どうしてそれを自分で証明しないんだ?」

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