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前に書いた「心の死刑宣告」(別ブログに転載した時は「夏の終わり」と改題した。)の翻訳というか、二次創作作業がなかなか面白かったので、ヘミングウェイの他の作品で訳しやすそうなのを探して(と言うか、私の英語力で内容の見当が付くものを見つけて)訳してみようかと思い、原書(ヘミングウェイの短編だけを一冊にまとめた、分厚い、ある意味では貴重なペーパーバックだ。)をめくってみて「A DAY'S WAIT」というのが手ごろかな、と思った。日本語訳も当然出ていると思うが、私は高校生くらいに彼の短編集を2、3冊読んだだけなので記憶に無い。ちなみに、その時に一番印象に残ったのは「フランシス・マコーマーの短く幸福な生涯」だった。
「A DAY'S WAIT」をどう訳せばいいのか分からないが、直訳すれば「一日の待機」だろうか。先にオチを書いてしまうのも何だが、これもある意味、「死刑宣告」の話であるが、周囲の誰にもそれが見えないという点では「THE SEA CHANGE」と共通性があるようだ。ヘミングウェイの中には常に、そういうオブセッション(強迫観念)があり、それが彼の創作や行動の原動力だったのかもしれない。もちろん、それが最後には彼を自殺に向かわせたわけだ。
ちなみに、私が「THE SEA CHANGE」を「心の死刑宣告」というタイトルにしたのは、我々は時々、心の中で周囲の人間への「死刑宣告」を行っているからである。その後も同じ人間と前と同じように付き合いはするが、それは前と同じ心での付き合いではない。相手は、自分の中ではもはや死んだ人間なのである。
前書きが長くなったので「A DAY'S WAIT」の訳は次回(たぶん、今日か明日)に書くことにする。
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