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日本では個人単独の短編集というのは書物として出るが、複数の作家による「アンソロジー」というのは少ない気がする。それが漫画の短編となるとなおさらである。
私が考えているのは、タイトルが「青春残酷物語」という漫画アンソロジーで、若者が現実人生の残酷さに触れることによる「絶望の詩情」の話の集成だ。
ただ、私は作品名を覚えるのが苦手なので、入れたい作品の題名を思い出せない。特に、大友克彦による、海辺の民宿の娘が都会から来た道楽息子に遊ばれて捨てられる話は、一度何かの雑誌で読んだだけなので、題名を思い出せないのだが、ぜひ入れたい作品だ。最後が、世の悪に対する若者の「この世には(そんなものより)大切なものがあるだろう!」という感じの絶望の叫びに、ボケ爺さんが「カレーライスとかね」と言うコマで終わる、シニカルな筆致の漫画である。平凡パンチかプレイボーイで読んだ気がする。)
ほかには、

山松ゆうきち「村のひばりちゃん」
「編集王」を書いた漫画家で、名前を忘れたが、その人の「雲流るる果てに」

はぜひ入れたいが、いい作品は膨大にあると思う。つまり、青年向け漫画雑誌などに載ったそれらは、漫画史の中でもあまり知名度が高くないのだが、文学的香気に満ちた優れた作品群なのである。もちろん、女性漫画家作品にもその種のものはたくさんあるだろう。
私自身はそうした作品を生来的に好むわけではないので、偶然に読んで、その凄さを今でも覚えているだけだ。広く漫画を読む人なら素晴らしいアンソロジーができるだろう。

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