財団や公益法人の活動は、その構成員の協議で決められる、という建前があります。でも財団や公益法人の構成員は、創設者の息がかかった人しかいません。
だから実質的に財団や公益法人の活動は、財団を作った人の思いのままになるのです。
第三者を入れなくてはならないという法律もなければ、財産の運用をチェックする外部機関もないのです。
また財団や公益法人の役員や職員には、財団の資産から給料が払われます。だから身内を財団や公益法人の役員、職員にしておけば、合法的に財産を身内に移転することが出来るのです。
たとえば、10億円の財産を出して、財団をつくったとします。
その財団に自分の親族を5人、職員として雇用させます。それぞれに1000万円ずつ給料を払ったとします。つまりは、自分の資産を、財団の給料として、親族に移すことができるのです。10年で5億円、20年で10億円の資産を、自分の親族に移せます。
親族の給料には所得税が課税されますが、相続税に比べればかなり低くなります。
また給料として払わずに、物を与えれば、所得税さえ課せられません。財団や公益法人の持ち物ということにして、役員や職員に家や車を買い与えるのです。
本来、それだけのものを給料としてもらえば多額の税金がかかります。でも、財団や公益法人の持ち物ということにしておけば、まったく税金がかからずに、それを手にすることができるのです。