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夢を見たのだが、見ているうちに狂的な笑いの発作が起こりそうになって目が覚めた。内容はほとんど覚えていない。ただ、最後が、単調な音列の曲(「タラランタン・タン・タン・タン・タン」というリズムである。)の連続と、舞台上の怪人たちの無意味な舞踊と、彼らが唱える呪文のような「何とかかんとかケコクッキー」という発声と暗黒の舞台を照らす赤い照明が、見ている人間の精神を崩壊させて狂笑に導くようだ。
まあ、その前からナンセンスな日常の芝居(たぶん、我々の隣人としての異星人、あるいは狂人と我々普通人の会話の齟齬による笑い)があったのが、最後の狂笑への布石のようなのだが、一切覚えていない。最後に異星人が正体を現すのだが、チャチな着ぐるみと、全身タイツと、ステテコ腹巻などの集団で、それが「タラランタン・タン・タン・タン・タン」のリズムの単調な曲(最初は昔のCM曲の「ウガチャカ・ウガウガ」でもいい)で一斉に原始人的な、あるいはゴリラのような仕草の踊りを始めると、音楽の高まりと共に観ている者が狂人になっていくという感じだ。
どこかの大学生演劇グループに作ってもらいたい芝居である。題は「さあ、キチガイになりなさい」でいいのではないか。もちろん、フレドリック・ブラウンの名作のタイトルの借用だ。観客を本当に狂人にするか、笑い死にさせることができればお手柄だ。
前半は精神病院で患者たちが普通人の世界を皮肉る芝居をやる、という話でもいい。コオロギ食とか、風刺の材料はいくらでもあるだろう。
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