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漫画家近藤ようこの随筆集の中に、

「ヤクザと売春婦はどんな大根役者でも上手くできるという。現実のヤクザや売春婦が、自分自身を演じている役者そのものだからだろう。

という文があり、これは卓見だ、と感心した。もちろん、後半(赤字部分)にである。
我々は日常生活の中でいつも演技をしている、というのは私の持論(まあ、べつにオリジナルな考えだと主張はしない)だが、特に「ヤクザと売春婦」がそうである、というのは彼女のほかには言った人はいないのではないか。たとえば、教師など、演じているように見えながら、「個性を出しているだけ」という人も多いだろう。あるいは、その演技が無意識的であったりする。それは既に「役者」ではない。
しかし、ヤクザは「演じないと務まらない」商売の最たるものではないか。つまり、「凄む、脅す」という演技の達人であるわけだ。実際の「暴力の能力」以上に、この演技が優れている人間がヤクザ界のエリートだと思う。
売春婦もまた役者である、というのも、何となく理解できる。つまり、「自分自身(の肉体)を相手に買わせる」には、演技が必要であるわけで、それはオーディションを受ける新人女優と変わりはない。
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