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ロジャー・パルバースと四方田犬彦の共著「こんにちは、ユダヤ人です」の中に、ウッディ・アレンが一番尊敬しているのはベルイマンだ、というパルバースの発言があるのだが、なかなか面白い言葉である。たぶん、アレンはどう努力してもベルイマンにはなれないし、逆もまた同じである。
たとえば、スタンリー・キューブリックがベルイマンになろうとしても無理だろうし、なる気もないだろう。逆もまた同じだ。
ベルイマンの特徴を一言で言えば、「超真面目でユーモアのかけらも無い」ということではないか、と思う。それでいて、見ていてある種の快感があるのが不思議なのだが、ユーモアとは別に、「厳粛な面白さ」というのが映画や文学には存在するのである。人生について、見る者にひとつの次元上昇を体験させる、というのが一番近いのではないか。これは、トルストイやドストエフスキーの小説にも言えることで、優れた純文学の持つ特長だと思う。一見軽く見える「第三の男」でも、人生についての次元上昇を観る者に与えるから、名作なのである。
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