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毎年、三月の終わりには、ガラの首都クリアでは大きな市が開かれた。東の国々の、彼女以外の数千もの人々と同様に、オヌア・チャムトンもそこに仕事のために行った。仕事とは、彼女の場合は仔馬たちを買うことである。この年は彼女はほかの交渉ごとがあり、それはうまく行かなかった。市に滞在した50日めの日の暮れるころには、彼女に必要な助けはもはや得られないように思えた。力になる人もなしに、彼女の家畜たちを南まで連れていくことになるのは、面白くない展望であった。
「あのう、馬買い人のオヌアさんですか?」そう話しかけたのは、内気で田舎育ちに見える一人の少女だった。「あなたが人を雇うつもりだと聞いて。私は―」少し間を置いて、彼女は続けた「動物を扱うのがうまいんです。どんな動物でも」彼女はオヌアが彼女を観察する間、待った。緑に染めた羊毛の服を着て、スカートは長靴とレギンスが見えるくらいの短さだ。巻き毛の髪は頭巾で巻かれて、その余りが細い肩にかかっている。柔らかでふっくらとした唇が、彼女の繊細さを示している。顎はしっかりとしている。背中には矢の入った箙を負い、手には弦を外した弓を持っている。



(追記)別の場所でも書いたが、「仔馬」は「小型馬」の誤り。つまり「ポニー」である。固有名詞以外はなるべくカタカナ語を使いたくない(そうするとファンタジー性が薄れる)ので、つい「仔馬」と書いてしまった。いずれ全体を見直すまでは、そうしておく。今は、訳しながら考える、というその過程そのものを重視して、そのままにしておく。
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