忍者ブログ
[16]  [17]  [18]  [19]  [20]  [21]  [22]  [23]  [24]  [25]  [26
・岩野夫人の夫は工場経営者で、その工場で労働争議が起こっている。
・その工場は何工場にするか?
・一番、労働争議が起こりそうで、しかも弾圧されやすいのは炭鉱経営か。
・夕張炭鉱の所有者にするか。だから、妻子は札幌在住で、夫は夕張にいることが多い。
・岩野氏も登場させるか?
・鳥居氏の結婚問題を先に出すこと。
・真淵力弥も早めに出したい。
・札幌市内での火事。労働争議で逮捕者が出たことへの労働者の報復。警察や裁判所への放火。
・その前に、労働者の決起を促すアジビラが撒かれる。佐藤富士夫所有の印刷機が使われる。
・その印刷機を奪うために佐藤富士夫は殺される。「改良派」粛清を兼ねる。
・その前に佐藤鱒子の登場。出産。死。
・鱒子の出産を巡る、富士夫や桐井の献身的行為。新しい生命を得た感動。その場から、佐藤は引き離され、殺害される。その同じ夜に、桐井は「哲学的自殺」を遂げる。

順序としては
1:鳥居教授の結婚問題:岩野家(岩野氏、岩野夫人、理伊子、力弥の会話)で、菊と銀三郎が関係があるのではないかというゴシップとして語られる。理伊子と力弥だけになると、力弥は理伊子が銀三郎に惚れていることを察知する。「お菊さんはあの人とは合わないと思うわ。大人しいだけで無学な人だから、話すことが何も無いでしょうからね」「家庭を守るだけの、奴隷みたいな女で良ければいいでしょうけどね」
2:労働争議の話(労働者逮捕の話):上に同じく、岩野家での会話。岩野夫人と夫。
3:鱒子の登場から佐藤の殺害(印刷機引き渡しの要求と拒否)、桐井の死
4:銀三郎が麻里江と結婚していることを真淵力弥に告げる。力弥は激怒する。
*アジビラが出回っている件をこのあたりに挿入。鳥居教授と兵頭の会話?兵頭が教授の縁談をからかう。教授は「他人の不始末」と結婚する気は無い、と言う。
*帰途、兵頭と藤田が接触しているシーンをインサートする。
5:藤田が田端兄妹殺害を銀三郎にそそのかす。(暗黙の了承?)
6:理伊子が銀三郎の元へ奔る。
6:札幌の大火(同じ夜)各所の官庁、工場などが放火される。
7:(翌朝)田端兄妹の死骸が火災現場から出る。現場に現れた兵頭が、「この女は銀三郎の内縁の妻だ」と暴露する。
8:死体を見るために現場に来た理伊子が群衆の投石で殺される。
9:放火が死体隠蔽のためではないかとして、銀三郎が疑惑を受ける。(8の前にする)
10:藤田が逮捕されるが、銀三郎ではなく、放火は兵頭の指令だと言う。殺人の件ではシラを切る。
11:兵頭が銀三郎に救いを求めるが、銀三郎はカネだけ与える。兵頭は上海に逃亡する。佐藤富士夫殺害の件と放火疑惑で富士谷と栗谷の逮捕。銀三郎は菊を連れて札幌を離れる。
12:関東大震災と兵頭の死。
13:銀三郎の帰国、兵頭の墓前のモノローグでラストとなる。

(参考)
 明治時代の中頃から、「殖産興業」の一環として北海道で採炭事業が開始されますが、当初は採炭作業のほとんどを人力で行っていたため、その労働実態は過酷なものでした。
 このため、明治25年に北海道最初の炭鉱争議が開坑間もない夕張で発生し、労働組合誕生のきっかけとなります。以降、産炭地の労働組合は、徐々に組織化され、大正から昭和にかけて、組合員の経済的地位向上のため賃金引上げ、安全確保要求、合理化反対などの諸活動を展開します。しかし、閉山に伴う組合員の減少などによりその活動は縮小します。





PR
桐井六郎の自殺論を「魔群の~」の1シーンにするつもりだが、どういう形にするか、考えてみる。今考えているのは、兵頭栄三との会話の中で六郎の自殺論を語らせるというものだ。
とりあえず、

1:人間存在が何かに縛られていること、つまり「絶対自由」の存在でないことへの不快感。
2:「絶対自由」の証明は自殺であること。
3:自分の意思で自分をこの世界から消すことで、自分は単なる神の被造物でないことを証明する。
4:自分が仮に神の被造物なら、自分は神に従うだけの存在であり、どこにも自由は無い。
5:神が人間に自由を与えたなら、自殺の自由も与えたはずである。
6:人間は神の奴隷ではない。神と対峙できる存在である。つまり、個々の人間が神と同格である。
7:世界を否定することが自殺であるが、世界を肯定するがゆえに自殺できないとしたら、その人間は縛られた存在である。
8:ゆえに、絶対自由の証明は自殺できることである。
9:問題は、この証明は命を懸けてしかできないことである。偉大な勇者で、偉大な馬鹿にしかできない行為である。
10:自殺はひとつの世界を消滅させることであり、それは神と対等になることである。
11:何者かからの逃避としての自殺は、卑小な自殺であり、軽蔑されるべきである。

要は、
1:神は存在するか
2:存在するなら、それはどのような神だと知りえるか。
3:神が存在しないなら、倫理は単なる便宜でしかなく、すべては許される。
4:神が存在するなら、人間はそれに従うしかない、奴隷になる。
5:神が存在した場合、自分が神の奴隷でないことを証明するには自殺するべきである。
6:つまり、絶対の自由は自殺によって得られる。

兵頭栄三は、この論に対して、「愚論、あるいはキチガイの理論だ」としか思わない。彼は徹底的に現世を肯定し、神の存在の有無など問題にしないからである。彼の敵は現世で自分を抑圧する存在、国家や政府であり、世界そのものは肯定している。六郎の自殺論は、闘いから逃げているだけの詭弁だ、とする。「完全な自由を得たい」という志向においては、六郎と同じだ、と考える。だが、方向としては、「自分自身の絶対否定(自殺)」と「自分自身の絶対肯定(社会を否定し、改革に立ち上がる)」は正反対だ、とする。兵頭における「自由の追求」は、「法律や倫理道徳という束縛の否定」であり、「あらゆる行為を闘争のためには正当とする」姿勢となる。これが彼のアナーキズムである。


当初の計画と、現在の改定プロットを明示的にしておく。


プロローグ:北海道の美しい風景と貴族たち。
1:鳥居教授と須田夫人。社会主義思想についての会話。
:銀三郎の噂。理伊子と菊と須田夫人、岩原夫人。
3:佐藤富士夫と理伊子の面談。佐藤は銀三郎については答えない。
4:銀三郎の登場。
:銀三郎の老将軍への奇怪なふるまい。
6:佐藤富士夫が銀三郎を平手打ちする。(7と順序変更し、園遊会での事件とする)
7:(回想)東京での佐藤と桐井六郎の会話。佐藤の妻のこと。兵頭のこと。
8:(回想)兵頭と女たち。
9:(回想)佐藤、桐井と棚原晶子との出会い。晶子についての二人の会話
10:(現在に戻る)社会主義者たちの会合。兵頭や銀三郎の噂。佐藤、桐井他。工場の労働争議の話。
11:兵頭夫妻のこの地への登場。田端退役大尉と理伊子。田端兄と田端妹(狂女)と佐藤、桐井。
12:桐井の自殺哲学のこと。晶子への思慕のこと。
13:銀三郎と佐藤菊と須田夫人。須田夫人は菊の銀三郎への秘めた思慕を知る。
14:須田夫人が菊に鳥居教授と結婚しろと命令する。
15:佐藤富士夫の前に、臨月の妻が現れる。
16:銀三郎と妻(狂人)の再会。妻に罵倒される銀三郎。
17:懲役人藤田(フェージカ)が銀三郎の前に現れる。恐喝に失敗。銀三郎に心服する。銀三郎はカネをやる。
18:佐藤鱒江の出産。桐井と佐藤がそのために奔走する。
19:鱒江の死産。桐井六郎の自殺。鱒江の死。
20:銀三郎が妻帯していることを人々に告げる。工場の火事の勃発。



21:鳥居教授のモノローグで、現在の状況が語られる。官憲による社会主義者たちの探索。
22:兵頭と銀三郎の対話(アナーキズム問答)
23:兵頭の上海への逃亡。
24:兵頭のパリからの「魔子への手紙」(大杉栄の娘への手紙をそのまま使う)
25:東京に出た佐藤富士夫と白蓮(棚原晶子)との再会。恋仲になる。佐藤は結核になっている。
26:鳥居教授と菊の結婚を進める須田夫人。鳥居教授の疑惑。
27:「他人の不始末」との結婚を疑う鳥居教授。真淵力弥が教授を批判する。
28:理伊子が銀三郎の元に奔る。追う真淵。
29:銀三郎の前に懲役人藤田が現れ、田端兄妹を始末してやろうと言う。それを拒否しながらカネをやる銀三郎。
30:(回想)酔った父が妾を切り殺す場面を思い出す銀三郎。自分の中に潜む狂気への疑い。
31:(回想)銀三郎がかつて幼い少女を強姦したことを暗示するシーン。
32:(回想)「いつでも、あなたの看護婦になります」と言う菊。
33:藤田による田端兄妹殺害。銀三郎が主犯だと民衆は疑う。
34:殺害現場に駆け付ける理伊子、それを追う真淵。理伊子は民衆に投石され、死ぬ。呆然とする銀三郎たち。
35:(東京にて)兵頭の帰国。理伊子の死と佐藤富士夫の病死の件を聞く。
36:(東京にて)憲兵らによる兵頭の探索。
37:(東京にて)後藤象二郎にカネを無心し、カネを得て喜ぶ兵頭。
38:関東大震災と兵頭の死。
39:甘粕大尉らの裁判、5.15事件、2.26事件と日本の軍国化。
40:栄三の墓の前の銀三郎の独白

「魔群の狂宴」の話は、主な事件は大正9年11月とする。下の赤字部分が時代背景。
「西南の役」「自由民権運動」云々の部分はカットしたほうがいいかもしれない。時代が離れすぎているようだ。まあ、別に現実の歴史に縛られる必要は無いのだが。

(追記)「NHK放送史」より


世界の労働階級が反動勢力に一大示威を展開する日、5月1日、メーデーが近づいてきました。共産党の党学校では開校第1日、直ちに川上貫一氏から、メーデーの歴史の講義がありました。「・・・メーデーが来ます。5月1日。このメーデーは、皆さんもご承知でしょうが、1886年5月1日に、アメリカの労働者が8時間労働を要求してゼネストをやった。そしてこれを完全に勝利をした。この勝利を記念するために、1889年に第二インターナショナルの会議は、この5月1日をもって労働者の国際的祭日と定め、そして、その日1日のゼネストをもって、労働者階級の団結、闘争を資本家階級に向かって宣言することに決定したのであります。」日本のメーデーは、大正9年第1回以来、反動政府のすさまじい弾圧のもとに幾多の流血事件さえ起こし、ついに昭和11年、禁止されるに至りました。新日本の前途を照らす復活メーデーを前に、各工場は、今その準備に大わらわです。(子どもの合唱「メーデー歌」)



職業安定行政史

第3章 大正時代

労働行政の歩み

労働運動とその取締り

大正時代は15年で終る。明治になって文明開化の道を走り出した日本であったが、大正は内憂外患の連続で、近代化への脱皮に苦悩した時代ともいえよう。
 第1次世界大戦で、つかの間の好景気ににぎわった日本も、戦時中からの物価の高騰に苦しんだ。大戦後は経済恐慌に襲われ、失業者は多発し、国民の生活は窮迫するばかりであった。米騒動が全国的に発生したのも生活苦からである。大正6年ロシア革命が起こり、革命的な潮流は世界各国に広がった。こうした内外の情勢をバックに、労働運動は大きな高まりを見せ、争議は頻発し激化の傾向をたどった。労働者の要求は、もっぱら賃上げに集中した。日本の第1回のメーデーは、大正9年5月2日に東京の上野公園で開かれている。

明治以来、政府は労働運動に対して、厳しい警察的取締りを続けてきた。それを大正8年には、穏健な労働団体の成立は阻止するものではないとの、緩和した方針を明らかにした。その翌年には、「臨時産業調査会」を設け、労働組合法の起草にとりかかった。時代の流れの中で、労使関係の安定と労働運動の健全な発展が課題となってきたからである。労働組合法案については 規制の方針などで内務省と他省との間に考え方が対立し、その調整が難航した。使用者側は、法律の制定そのものを強硬に反対した。労働者側では、その立場立場で意見が分かれ、制定反対、法案修正、代案作成など、活発な動きが起こった。
 大正15年、政府による労働組合法案が国会に提出されたが、審議未了で不成立に終わった。その後、昭和2年、同6年の2回にわたる国会への提案も、実を結ばなかった。労働組合法が誕生したのは、戦後の昭和20年になってからである。

話の季節は春ではなく晩秋とし、冒頭部分で書いた情景などは変更する。
鱒江がこの地に来る日に、初雪が降り始める。寒さの中で出産し、赤ん坊は死ぬ。
佐藤富士夫と桐井は同じ下宿に住み、田端兄妹は現在、安い木賃宿にいる。

・大正風味を加えること。田谷力三、浅草オペラ、ジャズ、学校唱歌など。
・「ディアボロの歌(フラ・ディアボロ)」は園遊会の出し物で、芸人のアコーディオンの弾き語りで歌われる。ほかに「天然の美」「恋はやさし野辺の花よ」が歌われる。
・「ディアボロの歌」はさらにエンディングに、「天然の美」は殺人シーンのバックに曲だけで流れる。
・オープニングは「メリーウィドウワルツ」。

脚本に盛り上がりが無いので、社会主義者たちの会合の後にドラマチックな、あるいはスリリングな場面を入れること。いや、それより、佐藤と桐井の会話を入れるか。そこで、佐藤の恋人(鱒江)が銀三郎と共に海外に行った話をする。つまり、佐藤は鱒江が銀三郎とまだ一緒であると思っている。だから、彼がひとりで帰国したことを知って、彼に平手打ちをするわけである。
工場の労働争議に関するシーンをちらりと入れておくこと。労働者へのひどい扱いや低給与の不満を労働者が酒場で愚痴る場面など。
銀三郎の帰国を祝うパーティ(知事主催の園遊会にするか?)(知事の選挙運動を兼ね、招待客は無料、他は有料で一般人も入場可。招待客と一般人の場所は一応ロープで分けられている。有力者のほとんどは須田清隆伯爵に官有物払い下げなどで恩顧を受けている。)の席上で、工場の持ち主である華族が労働者蔑視の言葉を吐く。炭鉱の持ち主である資本家と意気投合する。工場労働者や炭鉱夫の中に犯罪者がいること、アナーキストが彼らを焚きつけていることなど。

恋敵としての理伊子と菊の精神的戦い。理伊子は銀三郎に嫉妬させるために真淵(力弥)少佐を園遊会にエスコートさせる。
田端兄の理伊子への一目ぼれ。理伊子が銀三郎に惚れていることを知って、銀三郎が実は妻帯者であることを彼女に言いたくてうずうずし、そのため不審な行動を取る。
園遊会で理伊子は桐井にその「自殺哲学」を聞きたいと言う。これは理伊子の自己顕示のため。桐井は断る。田端が桐井を茶化す。佐藤が桐井に代わって田端を脅す。次いで、理伊子の質問が銀三郎に自分を高く見せるための自己顕示欲からのものだと指摘する。
鳥居教授が兵頭と同伴して園遊会に現れる。鳥居は兵頭が社会主義者だとは知っているが、アナーキストだとは認識していない。「社会主義者」と同伴したのは、鳥居教授の兵頭への虚勢。実際は、内心ひやひやしている。兵頭は大人しくふるまって、銀三郎への紹介を乞う。「兵頭という名前には聞き覚えがあるなあ。自由恋愛主義者の兵頭栄三さんじゃないですか?」自由恋愛主義についての議論が始まる。「危険思想である」「ふしだらだ」「結婚制度の否定だ」「女性の地位が日本では低すぎる」「女性解放思想と両輪である」「華族の娘で馬丁と駆け落ちしたものがいる」「今の若い者の道徳は地に落ちている」「民本主義というのも、この国の国体を否定する危険思想だ」「自由主義のひとつが自由恋愛主義であり、自由主義そのものが危険思想なのである」
その最中に、佐藤が銀三郎に近づいて何かを聞く。その返答を聞いて佐藤の顔色が変わり、銀三郎を平手打ちする。銀三郎は一瞬、相手を殺しそうな凄い表情になるが、両手を後ろに組んでじっと耐える。佐藤は宴会場を走り出る。桐井がその後を追う。

桐井六郎の「自殺論」のヒント

「ひとりの知者も見いだせない」と語る人に対してこう答えた。「もっともだ、知者を見いだすには、まずその人自身が知者でなければならないからね」

エンペドクレスの死については、エトナ山の火口に飛び込んで死んだ、馬車から落ちた際に骨折しそれがもとで死んだ、などの説が残されているが真偽ははっきりしない。フリードリヒ・ヘルダーリンは神と一体となるためエトナ山に飛び込み自死を遂げたという説を主題に未完の戯曲『エンペドクレス』を創作した。ホラティウスもその『詩論』でこの説について言及し(第465行)「詩人たちに自決の権利を許せよ」(sit ius liceatque perire poetis) と謳っている。

<<< 前のページ HOME 次のページ >>>
プロフィール
HN:
冬山想南
性別:
非公開
P R
忍者ブログ [PR]

photo byAnghel. 
◎ Template by hanamaru.