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井上やすし「キネマの天地」読了。良作。
演劇界、映画界の実態を喜劇的に描きながら、読後感が非常にいい。特に、美人女優の現実の悲惨さや汚さがよく分かる。しかし、それも「演劇の魔」に魅入られたことによる幸福な悲惨である。

「選ばれてあることの恍惚と不安 我にあり」

太宰治の或る作品の冒頭のエピグラフである。「選ばれてある」とは、「選ばれた者として存在する」ということ。

なお、言葉の使い方が面白い。「しょっちゅう」を「初中終」と書いて、「しょっちゅう」と振り仮名を付けたり、「つよい」を「強い」ではなく「勁い」という漢字を用いたりしている。
前者は、たしかに「初中(しょちゅう)」だけでは全体にはならないから「終」を入れることで完全になるし、また「終」の「しゅう」と「中」の「ちゅう」は音として融合するとすれば、「初中終」で意味も音も完全な「しょっちゅう」になる、と考えられる。実際に、「初中終」で「しょっちゅう」と読むというのが前例があるのか、夏目漱石的な当て字なのかは知らない。
後者は、私も「強い」と「勁い」から受ける感じが違うし、作中の使い方も確かに「勁い」がニュアンスとしていいと思う。要するに、「強い」はレスラー的、力士的なパワーの「強さ」であり、「勁い」は「毅然として、すっと立ち、外部の力によって倒れることのない」感じだ。首の立った感じ(「勁」は頸部の「頸」と似ている。)であり、「疾風に勁草を知る」の疾風を物ともせずに立ち続ける草の勁さだ。
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研究者は
歴史を紐解いてみると、実は、人工知能には既にブームとなる時期が来ていたのです。その代表例が 「第1次ブーム」と「第2次ブーム」 でしょう。 <a href=https://jamedbook.com/1731-2/>https://jamedbook.com/1731-2/</a> 妊婦への投与に関する研究報告は数多く出されていますが、その殆どで胎児に対する催奇形性を否定しています。最近の最も大きな調査(メタアナリシス、American Journal of Obstetrics and Gynecology:2002)では、アスピリン服用による全体的な奇形発生率の上昇はなかったことが報告されています。
CathrinSchrader 2018/11/22(Thu)03:25:09 edit
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