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何か、中世騎士物語的な冒険小説を書きたいと思うのだが、土台は「タイガー・タイガー」の第15章に出した「赤毛のライオン」君(アベンチュラ)を主人公とした放浪譚にしようと思っている。「トム・ジョウンズ」的な能天気な善人が主人公の話だ。盗賊フロス・フェリが副主人公で、フロスの「国盗りの野望」が、話を動かすモーターになる。と同時に4大国(ユラリア、タイラス、トゥーラン、サントネージュ)相互の闘争と政治的計算もお話エンジンである。

以前に書いた創作メモを参考にしながら書くので、再掲載しておく。





「タイガー、タイガー」創作メモ

 

Ⅰ 地理その他(第一案)

線吹き出し 4 (枠付き): トゥーラン 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


[地勢・社会]

サントネージュ:モデルはフランス。農業国。首都オパール。

タイラス:モデルはスペイン。物産に乏しい。海洋国。策謀家が多い。首都ランザロート。

トゥーラン:モデルはポルトガル。海洋国。農業も豊か。首都ランザネグロ。

ユラリア:モデルは昔の北欧。バイキング的性格。首都ノルデン。

 

 

 

[物語・人物・その他]

1 アベンチュラを主人公にするのは中止。少なくとも、物語前半では出さない。その代わり、美剣士クレセントを出す。「不乱剣朱太郎」における黒百合の役割。出す時期は未定。アベンチュラは戦争状況で主人公たちの同盟者として登場。

 

2 戦国状況を作り出す。

 

3 タイラスでの騒動を考えること。:いわば、「グイン・サーガ」におけるケイロニアの騒動である。しかし、国王を救うか、国王と敵対するか。前者の場合は、国王の造形をやり直す必要がある。もう少し、前に遡って書き換えるか。

①       タイラス宮廷の主要人物を作ること。

宰相ケアンゴーム(ある意味、平凡な悪の欲望を持った人間だが、それなりの人間的魅力もある人物。) 

ラモス大公:王弟で王座に野心を持つ男。33歳。ユラリアと通じている。

モーハン侯爵:ラモスの腹心。52歳。

ランケ子爵:ラモスの懐刀で剣の達人。知恵もある。クレセントとは仇敵。

レヴィ公爵:国王の友人。財務大臣。老齢。トゥーランとの同盟を図っている。

レーム将軍(伯爵):国王派。男盛りの35歳。第二師団長。サントネージュに同情的。

ラシード将軍(公爵):国王派のふりをしているが、本当はラモス派。第一師団長。45歳。

ラガシュ公爵:ラモス派

モンバサ公爵:中立派

騎士ヤスリブ

騎士モハーチ

騎士メネス・フェルド:ケアンゴームの懐刀。暗殺者。

騎士メルブ

法王モンテ・コルヴィソ:腹黒い寝業師。

法王庁侍従モンケ・ハン:モンテ・コルヴィソの腹心。

神父モルガン:善良な宗教人。

騎士マテオ:自由な性格の豪傑。

召使マンスール

商人マリニョーリ

商人マールワール

魔法使いマグリブ

美女リディア

美女アルヴィラ

美剣士クレセント:流浪の剣士で詩人。音楽家。レイピアの達人。

(トゥーラン宮廷)

少年ホージャ

貴公子アル・パスパ:国王の次男:23歳。アル・トーメンの異母弟。

アドワ

アトン

アトレ

アーヘン

アモン

アルコン

アル・ラージ(国王):52歳

アル・トーメン(皇太子):24歳

アル・ムシフ(教祖)

アル・ベンチュラ(=アベンチュラ):アル・ラージの私生児で放浪の騎士:27歳

 

② サントネージュ復興の義勇軍の話。

 

③ グエンの虎頭の解明:

A案:この世界はブラーマ神によって創造され、それがヴィシュヌ神とシヴァ神に渡された。ヴィシュヌは生と再生の神、シヴァは死と破壊と創造の神である。ブラーマ神の思念から生み出された「失敗作」、これまでのジャンルに入らない存在がグエンであった。しかし、ブラーマは彼に宇宙の破壊と再創造を行う可能性を与えていた。

B案:宇宙的実験室において生命体の創造を行っていた錬金術師マグ・ワンの手で、虎を父親、人間を母親として生み出されたのがグエンである。彼は秘密のうちに孤独に育てられ、20歳になった時に記憶を奪われてこの世界に投げ込まれた。

C案:サントネージュ王家の古い分家モンブラン家の息子であるグエンは、魔女マギ・ド・スエルの呪いにより頭を虎に変えられ、記憶を失わされて野原に放置された。(記憶喪失は催眠術によるため、キーワードの組み合わせで回復する。)

④ C案採用によって、魔法の世界を導入:ついでに幽霊も導入

可能な魔法は、基本的には「意思の力を物体に及ぼして物理的に変容させる」というもの。

・身体変容 ・記憶操作 ・幻覚 ・幻聴 ・超常的感覚 ・場所の記憶による過去の再現 ・幽霊の操作 ・催眠術 ・薬物の使用による感覚増強

 

⑤ タイラス宮廷のゴタゴタ

 

*「グイン・サーガ」におけるケイロニアのゴタゴタは、まず「お家騒動」で、王弟と后妃の不義、国王の暗殺未遂事件があり、それと並行してシルヴィアという跳ねっ返り王女のマリウス恋慕という危ない行動がある。つまり「色と欲」である。宮廷におけるゴタゴタは、それに他国との関係がからむかからまないかくらいだ。

 

中世の風俗を織り込みながら事件を描くこと。

すなわち「宴会」「歌舞」「槍試合」「狩猟」「教会への参詣」「法事」「王宮でのセレモニー」「徴税」「日常の飲食」「結婚式」「葬式」「病気の治療」「祈祷やまじない」などである。

 

⑥ まず、グエンたちがタイラスでどのようにして王宮まで行くか。また、どのようにして王宮に入るかを考えること。

 

・旅芝居の一座として旅をする。

 

⑦ グエンと山賊の話

・その前に、タイラス宮廷のドタバタを描くか?







「タイガー! タイガー!」  *『グイン・サーガ』の主題による変奏。

 

初めに

 

この小説は、栗本薫の大作『グイン・サーガ』のファンではあるが、その冗長な部分やセンチメンタルな部分、あるいは作者の一部の作中人物への偏愛ぶりにはいささか批判的な筆者が、『グイン・サーガ』の発想と一部のコンセプトを利用して作った作品である。一部の作中人物の変更には悪意も少々あるが、それ以外にはべつに原作をからかうような意図はないからパロディではなく、ただの二次創作である。

作中のさまざまな部分で原作に負う部分は多いが、原作では重視されているSF的部分はほとんどカットされ、魔術もその内容を変えてある。また、「新しい世界の創造」という点も、『グイン・サーガ』で達成されているので、それも重視していない。ただ一つ、「未知の場所から来た、獣の頭を持った主人公」というコンセプトと、一部登場人物の類似性だけが、原作と重なる部分である。原作では一つ一つの物産の名称まで特有の名前を与えているが、筆者はそんな面倒なことはしない。蜜柑は蜜柑でいいし、リンゴはリンゴでいい。馬も牛も猫もネズミも同様だ。いちいちトルク(鼠)、ガーガー(鴉)などと書く必要性は私には無い。「新世界の創造神」になる野望は無いからだ。

作品の設定は、この地球の中世初期、まあ西暦900年頃と思ってもらいたい。ただし、実際の歴史とはまったく無関係の騎士物語系統の異世界ファンタジーである。したがって、地名も国名も架空のものである。人物名などは英語系統の名前やらフランス語系統の名前、スペイン語系統の名前などが入り混じって、かなりいい加減だが、度量衡は現実を連想させる名称にしてある。たとえば10ピロと言えば、距離の10キロメートル、重さの10キログラムである。もちろん、中世にはメートル法は存在しないが、現代の人間に想像しやすくするための便宜である。金の単位も架空のもので、黄金100グラムが1マニ、その100分の1が1ミニで、1マニが庶民の1週間くらいの生活費になると思えばよい。作者自身がその設定を忘れなければの話だが。

言葉については、いくつかの国が出てはくるが、すべて共通の言葉が用いられ、ただその訛りや語彙の一部で時には人物の素性が分かるという程度である。人種の区別も無い。せいぜいが、北方の民族は金髪が多く、南方の民族は黒髪が多いという程度である。

作中人物の名前もいい加減で、宝石名を使ったため、サファイア姫などと『リボンの騎士』みたいな名前も出てくる。だが、それは後からソフィという名になるので、気にしないように。

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