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こういう現象は漫画に特有かもしれない。小説などだと、そういう脱線自体が作品としての破綻だと、批評家や真面目な小説愛好家に批判されるからやりにくいだろう。
ところが、英国の小説にはしばしばそういう脱線があり、スターンだったと思うが、脱線こそ小説の太陽である、という趣旨のことを言っていたと思う。フィールディングなども、その種の脱線が多く、「小説とはどんな書き方をしてもいいのだ」ということを後世の人々に教えてくれている。



漫画家がコマの端にちらっと描いたギャグや軽い遊びの絵が世間の、ごく少数ではあるけど誰かの琴線に触れ、一生反芻できるほど深く記憶される現象が好き。表には出ないけど読者の中でその他愛ないものがずっと生き続けるの。普段忘れてるけど時々思い出すの。何十年も。作者の死後も。冥利に尽きる。






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