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この編集者が、それまで漫画家志望者に有効な「キャラを立てる方法」を提示できなかったくせに、「キャラを立てろ」と言ってきたなら、かなり無能な編集者だろう。「ひとつの逸話は百の設定に勝る」も、特に根拠のある言葉ではなく、当人の主観であり、その方が「編集者として楽」というだけのことではないか。
なお、「キャラを立てろ」はおそらく小池一夫が最初に言いだしたことだと思う。劇画村塾で漫画家志望者にそうアドバイスをしていたようだ。だが、小池自身が提示した「キャラの立て方」はかなり癖が強く、下品な印象であり、私は好きではなかった。確かに、「強烈なもの」は印象が強いが、下品になる、というのは何事にも言えることである。
漫画においてキャラを立てようと思うのなら、何よりも独自の絵の個性があることだろう。たとえば諸星大二郎は、その絵だけで諸星大二郎の作品だと分かる。そうすれば、人物のキャラ立ちなど問題ではなくなるのである。ファンは諸星の世界に浸りたいだけなのだから。ちなみに、私は諸星のファンではない。キャラ立ちというか、絵の個性から言えば、日野日出志(字はこうだったか)なども強烈な個性だが、私はこちらも好きではない。
藤子不二夫の絵など、穏やかそのものだが、誰が見ても藤子不二雄作品だと分かる絵である。
絵の個性というのは、いわば「作者自身がキャラ立ちしている」ということだ。ファンは漫画家としてのその個性を愛するのである。(その個性が現実の作者の個性であるかどうかは関係は無い。もちろん、内奥ーー思想や性癖や気質ーーが近いからこそ作品からにじみ出るのである。)




さんがリツイート

①キャラを立てようという話をすると、決まってツンデレだとか、悲惨な過去のトラウマがあるとか、特殊能力とかの設定を並べ立ててくる問題。どうしたもんかと思っていたのですが、なんとなく解決策が見えてきました。

「設定ではなく逸話を出せ。一つの逸話は百の設定に勝る」

です。




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