戦争関係の資料を読む時によく引っかかる用語が「協商」である。「同盟」の方は何となく分かる(「軍事同盟」という言葉が、同盟関係の性格を示していると思われる。つまり、「味方」である。)しかし、「協商」となると、「一緒に商売でもするのか」という感じで、戦争とは結びつかないイメージであり、「三国協商」がほとんど軍事同盟のような感じで使われ、「協商側」「同盟側」と呼ばれると、途端に「協商」って何だ、となるわけだ。
元々は「経済協力」を意味した、とかいうのなら分かるが、下の説明では、なぜ「商」の字が訳語に入ったのか、やはり分からない。
(以下引用)
元々は「経済協力」を意味した、とかいうのなら分かるが、下の説明では、なぜ「商」の字が訳語に入ったのか、やはり分からない。
(以下引用)
協商
協商(きょうしょう)とは、フランス語のententeの訳で、複数の国家間において特定の問題について調整を行い、協調・協力を取り決めることである。
同盟と協商の違いについては次の点があげられる。形式面においては、条約、あるいは協定・議定書・宣言・交換公文などといった公式文書によって取り決められるのが同盟、公式文書を前提としない非公式な国際的合意を協商とされている。また、内容面においては、「援助義務規定」の存在の有無によって条約と協商を分けると考えられている。すなわち、条約などの公式文書によって取り決められた関係であっても、文書の本文に「援助義務規定」が無い場合には協商として、形式的側面より広く協商の範囲を捉える考え方である。
協商は締結相手国に対する援助義務がなく第三国に与える脅威も低いために、同盟よりもより柔軟性と弾力性を備えた関係である。このため、双方の利害の一致によって比較的簡単に締結することが出来る一方で、双方の利害がかみ合わなくなれば協商関係は形骸する場合もあるが、反対に協力内容が強化されて事実上の同盟関係へと展開されていく場合もある。第二次世界大戦とその後の冷戦構造によって二国間あるいは多数国間における同盟関係が進展し、協商関係はほとんど見られなくなる。ただし、冷戦終結後の外交関係には名称として「協商」を用いないケースにおいても実質においては協商関係に相当する協力関係(軍事的援助義務を伴わない協力関係)も形成されている。
歴史上において著名な協商としては、1873年に成立した三帝協商、1891年に成立した三国協商、1907年に成立した日仏協商及び日露協商、1920年に成立した小協商があげられる。
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