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「GATE」の面白さの理由を考えてみる。
アイデア自体は「戦国自衛隊」と同じで、ただ、過去に行くのではなく異世界に行くだけのことだが、大きな違いは「政治」が関わることだろう。それの顕著な前半が特に面白い。自衛隊や日本政府の行動にいろいろな束縛があって、それをどう解決するかが面白いわけだ。そこでの「問題」も「解決」もよく練られている。日本が米国の属国であることもキチンと描いている。これは自衛隊の立ち位置を知っている者には常識だろう。その一方、異世界に行ってからは政治面はあまり面白くはないが、その代わりラブコメ要素が強くなって、それは面白い。後半での異世界での内紛を解決するのに自衛隊が活動する、というのは「鶏を割くに牛刀を用いる」感がある。
しかし、一番大きな面白さの要因は、やはり自衛隊(現代の軍隊)が異世界で「俺ツエー」をやるところかなあ、とは思う。それに魔法などが絡むが、レレイの魔法博士試験は面白かった。これはレレイというキャラ自体が成功しているからだろう。生真面目で冷静で、しかし強さもある。こういう生真面目キャラの美少女は成功しやすい気がする。
つまり、アニメや漫画の面白さの基本は、視聴者や読者が感情移入している主人公が、難関をクリアする爽快感だ、というのだろう。「俺ツエー」は馬鹿にならない。そして、主人公がモテるのは、主人公と一体化している視聴者や読者の快感であるわけだ。
さて、そうすると、大衆文芸創作の一般論として、「いかにして視聴者や読者に満足感を与えるか」であるかが一番の問題だ、となる。そのひとつが「ハッピーエンド」であり、純文学映画はそこで大衆映画と一線を画す。つまり前者はヒットしない。だからプロデューサーに嫌われる。
007映画のプロデューサーが脚本家に出した条件は、「女は3人出せ。そして3人ともボンドが物にする」だけだったそうだ。つまり、後は007映画のお決まり通りに作ればいい、ということだ。
考えてみれば、GATEの主人公も「女(美少女)が3人出てきて3人とも主人公が物にする(惚れられる)」パターンである。なぜ惚れられるのか。まあ、「強くて頭が良くて判断力と決断力があって、同情心(人情味)がある」といったところか。冒頭部分で、わざと冴えない男のイメージを出して、それと危機に際してのカッコよさとのギャップで視聴者を引き付けているのだろう。ただ、私の娘などは、この主人公が最初から嫌いで、見ようともしなかった。女性受けはしない主人公なのかもしれない。話の中でモテるのと、現実にモテるのは別だ。冒頭の「オタク設定」が嫌われたのではないか。現実でもオタクは女性に嫌われるが、これは「本物の女性より虚構の存在を愛する」からだろう。女性にとっては、不実なホストのほうが「自分に構ってくれる」から知的で思索的な美男子よりはるかに好ましいのである。まして、不細工で身なりに構わないオタクは、最初から「自分は現実の女性には興味ありません。気に入られる努力もしません」と宣言しているようなものだろう。GATEの主人公の場合は、相手が異世界の美少女だから、最初からある意味では「非現実に近い」存在だとも言える。そういう存在なら、オタクの主人公がモテてもいいわけである。








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