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異世界魔法物アニメの新作をネットテレビで見たのだが、期待した通りの駄作で愚作だった。この手のアニメのお約束だけで作ったような作品だが、我慢して第一話は最後まで見た。
で、私が疑問に思ったのは、この手のアニメだと、女の子の顔やスタイルが皆似たり寄ったりで、服装や髪型くらいでしか判別できないのだが、たとえば主人公が続けて二人の女の子に初対面として会う時、ひとりにはまったく平然と対応し、もうひとりには「か、可愛い」と一目ぼれしたりするのだが、見ている方からは、その可愛さや個性にまったく差がないのである。これが「萌えキャラアニメ」の最大の欠点なのではないか。もちろん、見ているうちにすべてのキャラの区別がつくようになる「ガルパン」のようなアニメもあるが、それは特例だろう。また、同じく水島努の「白箱」も、キャラの判別は容易だ。すぐれた監督やスタッフはそういうものだ。
なお、最初に言ったアニメだが、「お約束」だけで作ったようなアニメの癖に、肝心なところで「お約束」が守られていない。それは、「溜め」はその後の「ずっこけ」のためにある、ということだ。溜めがあれば視聴者は当然その後のズッコケを期待する。それが何もなしで進んだら、いったい何のための溜めだったのか。まあ、すべてにつまらないアニメだったが、それは作る側がアニメの話作りの基本を分かっていない、という面が大きいようだ。その基本を一言で言えば、視聴者の心を踊らせる、つまり操縦することだ。視聴者を笑わせたい、興奮させたい、驚かせたい、という気持ちが無くて、何のためにアニメを作っているのか。異世界物が流行っています、スポンサーがつきました。では、適当に作りましょう、ではアニメ業界にいる理由など無い。
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