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同じ竹熊健太郎のツィートに、栗本薫の一日平均の執筆量が400字詰め原稿用紙で50枚だったという事例が書いてある。これに竹熊氏は驚いているが、芥川龍之介でもまったく推敲無しでならそれ以上の量を書けたのではないか。
栗本薫の「グイン・サーガ」は、特に初期には無意味な情景描写、しかも同じような文章が延々と繰り返されることが多かった。これは「世界最長の小説を書こう」というのが最初からの動機としてあったので、〈推敲はまったく無し〉、という方針で書いたと思われる。ただし、途中からはキャラが確立し、そのキャラが「自分の意志で」動き始めたのか、自動書記的な速さで書いたと思う。
念のために言えば、私は「グイン・サーガ」は面白さの点では長編大衆小説のかなり上位にあると思っている。しかし、完成度という点では、名作とされる長編大衆小説の中では下位だろう。つまり、かなり雑だ。雑でも面白い部分が多ければいいのである。「大菩薩峠」のように、未完成でも名作は名作であるし、吉川英治の長編もうっかりミスは多い。これは売れっ子大衆小説作家の宿命のようだ。
芥川龍之介のように、「10枚の原稿を1枚に縮める」作業こそが、純文学作家の常にやるべき努力だろう。

(以下引用)


速筆で知られた野坂昭如は400字詰め原稿用紙で一枚15分だったそうですよ。芥川龍之介は午前中に10枚書いて、お昼に散歩して、帰宅してから10枚を1枚に縮める作業にかかりました。なので、1日400字くらいですね。
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