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まあ、馬鹿(子供知能)の書いた小説のように、主人公やそのライバルをIQ300とか書いただけで「頭のいい人物を描いた」と思い込む奴もいないではないが、基本的には登場人物の知能は作者の知能を超えることは無いと思っていいのではないか。ただし、その知能の高さを印象付ける描写ができる人間とできない人間がいると思う。森博嗣などは頭のいい人物(性格はアレだが)だと思うが、彼の作中人物はあまり頭が良さそうに見えない。コナン・ドイル自身はさほど頭がいい人物でもなかったような気がするが、作家としての能力(表現力・描写力)が高かったため、ホームズは永遠のキャラになった。(ホームズ物のトリックの大半は無理があると思う。)
作家自身の頭の良さが作品に反映されているな、と思うのは、漫画家だと「それ町」の作者、石黒正数である。実に緻密な思考力を、作品構築に使っているなあ、と思う。ただし、作品世界に手塚治虫のような「巨大感」が無いのは、逆にその「探偵脳」のためではないか。探偵脳というのは「哲学脳」とは違って、目の前の現実に対象が限定されるのである。
頭の良さには、「発想力」と、「論理構築力」あるいは「論理構築の徹底性」があると思う。(ポーが、優れた探偵には「詩人の能力」と「数学者の能力」が必要だ、と言っているのはそこである。発想は詩人的能力であり、論理は数学者的能力だ。両者を兼ねている人は少ない。)雑な論理だけで、後は感覚だけで乗り切るのが普通の人間である。また、科学者や技術者になるような人間は、案外発想力は無いと私は思っている。だから、理論(仮説)の検証や徹底よりも「偶然の結果」からの大発見が多い。つまり、その仮説(発想)は論理の徹底に堪え得ないレベルのものが大半なのだろう。




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「作者より頭のいい人物は書けないか」論議がまた出ているが、僕の感想はこれのみ、「小説(漫画)を書(描)くという行為に、これ以上呪いの言葉をかけるな」。やれ必然性だ考証の確かさだリアリティだ、ああしろこうしろ、どんなふうに書けとか空想の翼、創作の手足を縛るような差し出口が多すぎる。










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