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町山智浩の映画評論や政治評論には「映画界の人間」としてのポジショントーク(たとえばトランプ批判もそれ。ハリウッドは反トランプである。)があるから時々妙なのもあるが、だいたいはまともである。下のツィートはフィクション全般に通じるもので、視聴者の「中二病精神をくすぐる」というのは通俗フィクションの骨法のひとつだ。悪役をカッコよく描くのもそれ。
つまり、視聴者の「俺はリアルに物事を見ているハードボイルドな男だぜ」という中二病心理をくすぐる台詞が悪役に与えられるわけだ。と同時に、若いころは自分が全能であることを夢見るものだから、悪役という「善も悪も実行できる存在」のほうが、「善しか実行できない」善人よりカッコよく見えるのである。(常に悪しか実行できない悪人は存在不可能である。公には善、つまり偽善を行えるのが悪人の必要条件。)
松本清張の時代物長編の凄みと魅力は、敵役の悪人の異常なまでの強さにある。

(以下引用)

町山智浩
@TomoMachi
主人公の乗り越えるべき間違った価値観を語る敵役は、中二の頃の作者だから、人々の心の中の中二をゾクゾクさせるんでしょう。たいていは大衆蔑視の選民思想なので、思春期にハマりがち。
引用ツイート
前Q(前田久)
@maeQ
·
「主人公の乗り越えるべき間違った価値観を悪役にセリフで語らせると、なぜかそれが名言扱いされて読者に支持されてしまう」という問題は、どーしたらいいんでしょうな。しばしば嘆いている作家さんを見かけるけど。
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