東京・上野の寛永寺を本拠とする彰義隊に新政府軍が勝利した1868(慶応4)年5月の上野戦争の前日に、新政府軍側の薩摩藩兵を指揮した西郷隆盛が、藩兵の隊長と思われる「肝付郷右衛門」に出した書簡が5日までに見つかった。
西郷南洲顕彰館(鹿児島市)が西郷の真筆と鑑定。落合弘樹明治大教授(幕末維新史)も丸みを帯びた柔らかな独特の筆致と簡潔な文体からみて、真筆と判断した。
落合教授は「前線に向かう将兵への細やかな配慮と、上野戦争前日の多忙で緊迫した雰囲気が伝わってくる」と評価している。
書簡は、群馬県高崎市の古書店・名雲書店が古書市で入手した。