クリスティの作品が長く広く深く愛されているかどうか分からないが、ホームズ物が愛されている理由は、私はそれが「推理小説」ではなく「ホームズというキャラクターを楽しむ小説」だからだと思っている。推理部分は適当でいいのである。実際、いい加減なネタが多いのではないか。「踊る人形」の推理などポーの「黄金虫」の丸パクリだろう。だが、ホームズというキャラは空前にして絶後だと思う。あれを超える大衆小説ヒーローはいないのではないか。独身主義という設定にして主人公周辺の余計な恋愛沙汰を話の中にあまり入れなかったのもポイントが高い。子供は冒険小説(あるいは映画)で主人公が恋愛沙汰で時間をつぶす描写が大嫌いなものだ。そんな無意味なことをやっている間に敵と戦え、仕事をしろ、と思うのである。すべての男の中には子供がいる。だからホームズは子供から老人まで人気があるわけだ。ただし、女性人気は低いと思う。
そもそも、女性というのは小説のヒロインに感情移入して読むと思われ、男主人公の小説など読む人は少数派だろう。平安時代の何とか日記の中で、幼いころの書き手が「源氏物語」を読んで、光源氏そっちのけで、浮舟などの「悲劇の女性」に感情移入して、私もああなりたい(「悲劇」の主人公にであるww)と思うあたりが、女性というものの不思議な心理を示している。まあ、ヤクザに惚れる女性が多いというのも、人生にドラマを求める心理かもしれない。
そもそも、女性というのは小説のヒロインに感情移入して読むと思われ、男主人公の小説など読む人は少数派だろう。平安時代の何とか日記の中で、幼いころの書き手が「源氏物語」を読んで、光源氏そっちのけで、浮舟などの「悲劇の女性」に感情移入して、私もああなりたい(「悲劇」の主人公にであるww)と思うあたりが、女性というものの不思議な心理を示している。まあ、ヤクザに惚れる女性が多いというのも、人生にドラマを求める心理かもしれない。
私はたぶん「ミステリファン」ではないと思うが、『ホームズ』とクリスティの作品群は別格で、なぜこんなに長く、広く、深く愛されているのかと考え続けている。たぶん現在の一般的なエンタメ劇のスタイルを完成させたからかなーと推察するのだけど。
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