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昔の作家はほぼ全員がアマチュア作家だったのだから、この頃に「アイデア先」「キャラ先」という創作技法問題があったのか疑問である。もちろん、少し時代が進むとモーパッサンのようにアイデア先行型と思われる作家もいるが、ほとんどは「物語」を書く意思で書いていたわけで、そこではキャラとアイデアは同時的に発生したのではないか。近代小説の祖とも言われる「ドン・キホーテ」は、明らかにキャラと物語が同時に生まれているはずだ。小説創作が商業化して後に「アイデアが先かキャラが先か」という意識は生まれたのだと思う。
そもそもツルゲーネフの作品には物語性は少なく、抒情性が主だと思う。つまり、詩を小説形式で書いたように見える。その「物語性の乏しさ」を「キャラ先」と言っただけだろう。もちろん、そういう作品も大きな価値があるのであり、現代の小説には逆に詩情がまったく欠如しているから、その中で比較的詩情のある村上春樹などが世界的に好感を得ているのだと思う。

愛書家日誌
@aishokyo
私はアイディアから始めたことは一度もない。いつもキャラクターから始める。 イワン・ツルゲーネフ #本の名言
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