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欧米人は書いた字の美醜にはあまりこだわらないとは思うが、やはりきれいな書跡とそうでない書跡がある。或る種の字を美しいと思い、また或る種の字を醜いと思うというのは不思議なことで、部分的には「見慣れたものを美しいと思い、見慣れないものを醜いと思う」ところもある(活字を見慣れると、それに近い字を美しいと思う。)が、書道の場合、見慣れない字でも美しいと感じることはある。その美しさもいろいろだ。端正なものもあれば荒々しいものもある。



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美しい筆蹟で書くには、特別な筆のもって行き方というものがちゃんとあるのだ。決して定義する事ができないにも関わらず、美にはある定まった何かがあるのだ。定義ができないというだけで僕はこれを信じられなかった訳だが、この経験のおかげで、そこには確かに何物かがあるという事を悟ったのだった。












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