なぜ我々は象を製造するーー正確に言えば再構成するーー必要があったのか。それは、我々は象よりはるかに忍耐強くないからである。彼ら自身の計画どおりにさせておけば、象は4年か5年に1頭の子供を産むだけである。そしてもちろん、我々は象を愛しているので、彼らのこの習慣、あるいは習俗を見ることは我々を恐ろしくいらいらさせるのだ。これが、我々が彼らを我々自身の手で再構成するようになった理由である。
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もちろん我々は象を無から作り出すわけではない。適切に言えば、我々は象を再構成するのである。まず、一頭の象を6個のパーツに分ける。耳、鼻、頭、腹、脚、そして尾だ。これらを我々は5頭の象にする。つまり、新しい象の5分の1は本来の象で、残る5分の4はイミテーションだということになる。これは目で見ただけでは判別できないだけでなく、象自身もそのことに気が付いていない。つまり我々は巧みにやっていたわけだ。
象の頭を作るのは非常に報われる仕事だった。その細部を作るには細心の注意が必要だったので、一日の終わりにはあまりに疲れているため誰とも話す気力など残らなかった。そのセクションで働いた一月後には私は体重を6ポンド減らしていたが、非常な達成感が味わえた。それに比べたら、耳を作るのはそよ風のようなものである。ただ、この大きくて平らで薄いものに皺を作り、それで終わりだ。我々は耳セクションで働くことを「耳休みを取る」と言っていた。ひと月の耳休みのあと、私は鼻セクションに行くが、そこは再び、要求されることの多いセクションだった。鼻は柔軟でなければならないし、その鼻孔は鼻の長さの限り通っていなければならない。さもなければ、完成した象は暴れまくるだろう。それが、鼻を作る作業は最初から最後まで神経をすり減らす作業であるゆえんだ。
私は一人で目覚めた。俯けにベッドに寝ていて、体は汗で濡れていた。窓の外に鳥がいた。いつもそこに見える鳥とは違うように感じられた。
私は注意深く顔を洗い、ひげを剃り、パンをトースターに入れ、コーヒーのための湯を沸かした。猫に餌をやり、水を換え、ネクタイを締め、靴紐を結んだ。そして製象工場(「製造」ではない。)へのバスに乗った。
言うまでもなく、象を作るのは簡単ではない。第一に、象は大きいし、複雑だ。ヘアピンや色鉛筆を作るのとはわけがちがう。工場の敷地は巨大で、幾つかの建物から工場はできている。それぞれの建物もまた大きく、それぞれのセクションは色分けされている。その月の私は耳セクションに配置されていたので、私は天井と柱が黄色い建物で働いていた。私のヘルメットとズボンも同様に黄色だった。そこで私がやることは耳を作ることだけだった。ひと月前は私は緑色の建物で働き、緑のヘルメットをかぶり緑のズボンをはいて頭を作っていた。私たちは月ごとにセクションから別のセクションにジプシーのように移動していた。それが会社の方針だった。そうすることで、私たちは誰でも象がどんな風に見えるのか完璧に形作ることができたわけだ。耳だけとか、あるいは足の爪だけとかを一生作ることは誰にも許されていなかった。管理者たちは我々の動きをコントロールするチャートを示し、我々はそのチャートに従った。
私は注意深く顔を洗い、ひげを剃り、パンをトースターに入れ、コーヒーのための湯を沸かした。猫に餌をやり、水を換え、ネクタイを締め、靴紐を結んだ。そして製象工場(「製造」ではない。)へのバスに乗った。
言うまでもなく、象を作るのは簡単ではない。第一に、象は大きいし、複雑だ。ヘアピンや色鉛筆を作るのとはわけがちがう。工場の敷地は巨大で、幾つかの建物から工場はできている。それぞれの建物もまた大きく、それぞれのセクションは色分けされている。その月の私は耳セクションに配置されていたので、私は天井と柱が黄色い建物で働いていた。私のヘルメットとズボンも同様に黄色だった。そこで私がやることは耳を作ることだけだった。ひと月前は私は緑色の建物で働き、緑のヘルメットをかぶり緑のズボンをはいて頭を作っていた。私たちは月ごとにセクションから別のセクションにジプシーのように移動していた。それが会社の方針だった。そうすることで、私たちは誰でも象がどんな風に見えるのか完璧に形作ることができたわけだ。耳だけとか、あるいは足の爪だけとかを一生作ることは誰にも許されていなかった。管理者たちは我々の動きをコントロールするチャートを示し、我々はそのチャートに従った。
ドワーフは踊り続け、私のブドウを食べた。太陽が沈み、地上が森の影で覆われた。鳥くらいの大きさの巨大な黒い蝶が空き地を横切り、森の奥に消えた。私は夕暮れの冷気を感じた。そろそろ夢が覚める頃だと私は知っていた。
「そろそろお暇しなけりゃな」私はドワーフに言った。
彼はダンスをやめ、無言で頷いた。
「君のダンスが見られて楽しかったよ」私は言った。「とても感謝してる」
「いつでもご覧に入れるよ」ドワーフは言った。
「二度と会えないんじゃないかな」私は言った。「お元気で」
「ご心配なく」ドワーフは言った。「また会えるさ」
「本当かい?」
「ああ、君はまたここに戻ってくるさ」彼は指をパチンと鳴らして言った。「君は森の中に住むことになる。そして毎日僕とダンスするだろう。君自身、優れたダンサーにすぐになるさ」
「どうしてそれが分かるんだい」私は驚いて言った。
「そう決まっているんだ」彼は答えた。「誰も決まったことを変えることはできない。君と僕がすぐにまた会うことは僕には分かっている」
ドワーフは私を直視してそう言った。深まっていく闇が、彼を夜の水の深く青い色に染めていた。
「さて、それでは」彼は言った。「いずれまた」
彼は私に背を向け、再び一人で踊り始めた。
「そろそろお暇しなけりゃな」私はドワーフに言った。
彼はダンスをやめ、無言で頷いた。
「君のダンスが見られて楽しかったよ」私は言った。「とても感謝してる」
「いつでもご覧に入れるよ」ドワーフは言った。
「二度と会えないんじゃないかな」私は言った。「お元気で」
「ご心配なく」ドワーフは言った。「また会えるさ」
「本当かい?」
「ああ、君はまたここに戻ってくるさ」彼は指をパチンと鳴らして言った。「君は森の中に住むことになる。そして毎日僕とダンスするだろう。君自身、優れたダンサーにすぐになるさ」
「どうしてそれが分かるんだい」私は驚いて言った。
「そう決まっているんだ」彼は答えた。「誰も決まったことを変えることはできない。君と僕がすぐにまた会うことは僕には分かっている」
ドワーフは私を直視してそう言った。深まっていく闇が、彼を夜の水の深く青い色に染めていた。
「さて、それでは」彼は言った。「いずれまた」
彼は私に背を向け、再び一人で踊り始めた。
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冬山想南
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